商船三井、タイ素材最大手サイアム・セメントグループ向け液化エタン船追加2隻を新造

商船三井、タイ素材最大手サイアム・セメントグループ向け液化エタン船追加2隻を新造

トータルで5隻に、輸送需要増加に対応

商船三井は3月18日、グループでシンガポールのMOL ENERGIAが、タイ素材最大手サイアム・セメント・グループ(SCG)の完全子会社SCGケミカルズ(SCGC)と、新造液化エタン専用船(Very Large Ethane Carrier、VLEC)2隻の長期定期用船契約を3月17日付で締結したと発表した。

双方は1月24日に3隻で同様の契約を結んでおり、さらに追加した。

 
 

商船三井は、世界で現在竣工または発注済みの液化エタン専用船約90隻のうち、同社グループが管理・運航するVLECはこれで14隻に達したと説明している。


本船イメージ(三星重工業提供)

今回追加で新造する2隻は2028年の竣工を予定しており、1月に契約締結済みの3隻と同じく韓国のSAMSUNG HEAVY INDUSTRIES(三星重工業)が建造する10万㎥のVLEC。

エタン二元燃料推進機関を搭載し、従来の重油燃料船と比較し温室効果ガス、硫黄酸化物、窒素酸化物の排出を抑制できる仕様を採用する。

契約締結でSCGC向けの新造液化エタン専用船は合計5隻に上り、同社がベトナムに保有する石化プラントで用いるエタンの輸送需要を商船三井グループが一括して担うことになる。

商船三井は重油より使用時のCO2排出量が少ないエタンは今後も需要が伸びるとみて、輸送体制を強化する。

 
 

本船概要

主要寸法 全長230m、船幅36.6m、満載時喫水11.9m
貨物艙・容量 GTT Mark IIIメンブレン、100,000㎥
推進機関 二元燃料(重油・エタン)ディーゼルエンジン
造船所 三星重工業巨済造船所
竣工予定 2028年上旬

(藤原秀行)※いずれも商船三井提供

経営/業界動向カテゴリの最新記事