無断で取引先の債務保証など判明、懲戒解雇
ニチレイは3月25日、傘下で冷凍食品やレトルト食品の製造・販売などを手掛けるニチレイフーズの中国子会社「日冷食品貿易(上海)有限公司」で、元従業員による不正行為が発覚したと発表した。
ニチレイによると、2024年3月、日冷食品貿易で董事長兼総経理(経営トップ)を務めていた元従業員が、無断で自らの会社を設立した疑いを把握。状況確認のための初期調査を行った結果、当該従業員が機関決定など適正な内部手続きを経ずに取引先の債務を保証したり、経費を流用したりしていたという。
その後、社外取締役を委員長とした調査委員会(外部専門家を含む)を設置し、24年12月~25年3月に事実関係解明のための調査を実施。同日、調査報告書を取締役会に提出した。
ニチレイは報告書によると不正行為による損失額は最大約9000万円に及ぶが、ニチレイグループの連結業績への影響は限定的と説明している。
ニチレイは「このような不正行為が発生したことを厳粛に受け止め、お客様、株主の皆様をはじめとするステークホルダーの皆様に、多大なご迷惑とご心配をおかけしますことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。今後、再発防止策を検討する。
調査報告書によると、当該従業員はニチレイフーズから中国子会社に出向。2020~24年に不正行為を働いていた。
自身の会社を設立して費用を日冷食品貿易から出させていたほか、日冷食品貿易の商標を別の会社が無償で使用できるよう無断で合意していたり、他の取引先に対して約4億円の資金を負担することを無断で合意し、ローン契約を結んだりしていた。
24年3月ごろに日冷食品貿易の従業員が問題を指摘、判明した。ニチレイフーズと日冷食品貿易は24年12月、元従業員を懲戒解雇した。
(藤原秀行)