「敵対的買収行わない」保護条項に同意
セブン&アイ・ホールディングスは5月1日、買収提案を受けているカナダのコンビニやガソリンスタンド運営大手アリマンタシォン・クシュタールと、交渉に関する秘密保持契約を締結したと発表した。
両社は2024年10月、米国の独占禁止法上の課題解決に向け、アリマンタシォンが米国で展開している店舗売却に関する情報を共有することをうたった契約を結んだ。
ただ、セブン&アイは同時に秘密保持契約を結ぶよう、アリマンタシォンに要請していたが、同社は交渉を友好的に進めるために敵対的買収を行わないよう確約する「スタンドスティル条項」(保護条項)を盛り込んでいることに反発、同契約締結を拒否していた。
今回、アリマンタシォンが同条項を含めた秘密保持契約の締結に応じたことで、交渉が前進することになった。
セブン側で買収提案の内容を検討している特別委員会委員長のポール与那嶺セブン取締役は「建設的な協議における前向きな進展」と評価するコメントを発表した。
同時に「引き続き、株主およびその他のステークホルダーの皆様の価値を最大化し得る(買収受け入れとセブン単独での成長という)2つの選択肢を並行して追求することにコミットする」と述べ、セブン単独での成長路線を選ぶことに含みを持たせた。
(藤原秀行)