物流を効率化・省人化、小規模ブルワリーの負荷軽減図る
日本郵政とJPロジスティクスは5月29日、クラフトビールの製造などを担うeach×other(イーチ・アザー、宮城県石巻市)、位置情報の収集・活用などを手掛けるマルティスープ(東京都千代田区神田錦町)の両社と組み、クラフトビールの樽シェアリングサービスの実証実験を始めると発表した。
クラフトビールは需要が伸びている一方、ブルワリーは小規模な事業者が多く、醸造に必要となる設備投資が負担になる上、飲食店に卸す際に使用する樽の洗浄や紛失なども課題となっている。
JPロジの物流ネットワークを活用して樽の回収・シェアリングサービスを展開、物流の効率化・省人化を進めて地域のブルワリーが生産効率の向上や商品開発に注力できるようサポートし、地域企業の成長促進による活性化につなげていきたい考え。
実証は6月16日~8月29日の約2カ月間の予定。JPロジが準備した共通の樽を東北地方にある3社のブルワリーに提供する。ブルワリーがビールを卸した都内飲食店から、JPロジが空き樽を回収し、東北まで輸送。その後、空き樽はeach×otherが洗浄してから保管し、ブルワリーの請求に基づいてJPロジが必要な樽を必要なタイミングで輸送、納品する。
シェアする樽はGPS端末を取り付け、紛失対策を講じるとともに、飲食店従事者と物流従事者の稼働時間の差分を考慮した非対面回収を図る。
ブルワリーおよび飲食店での保管日数などを分析・検証し、ブルワリーの繁忙対応や初期投資などの抑制につながる仕組みを考案したい考えだ。
協力するブルワリーはISHINOMAKI HOP WORKS(宮城県石巻市)、秋田あぐらビール(秋田市)、HOPDOG BREWING(同)。
(藤原秀行)