スピーディーかつ精度の高い意思決定を実現
日本最大級の商業用不動産データ分析基盤「estie マーケット調査」を中心に複数のサービスを手掛けているestieは7月8日、同社の物流倉庫の賃貸マーケット情報を網羅的に収集可能なサービス 「estie 物流リサーチ」をプロロジスが導入したと発表した。
リーシング・開発・投資判断における意思決定の高度化を目的に、「estie 物流リサーチ」を採用した。estieによれば、プロロジスは網羅的で最新の市場データにアクセスできるようになったことで、競合施設の分布や賃料傾向、需給バランスを的確に把握し、市場環境を可視化した上で、よりスピーディーかつ精度の高い意思決定を実現できているという。
プロロジスは物流施設の開発や投資において前提となる客観的なデータ整備が、業界全体で十分とは言えないとの問題意識を以前より持っており、例えば、競合施設の分布や賃料水準、需給バランスといった情報は重要な意思決定に直結するにも関わらず、公的情報や業界全体で共有できる基盤データが乏しく、各社が独自に情報収集を行っているのが実態と説明。網羅性と最新性を兼ね備えた外部データをどう活用するかが、開発・リーシング戦略の高度化に向けた重要なテーマとなっているため、estieのデータ活用を模索した。
estieは、プロロジスが新規開発を検討する際には、エリアごとの既存ストックや供給動向を把握した上で、計画の妥当性や差別化の方向性を検討しており、戦略立案に必要なデータへ即座にアクセスできる体制が整い、チーム内での議論や判断もより迅速かつ的確に行えるようになったと説明している。 投資判断の場面でも、需給バランスや賃料推移といった定量的な根拠に基づき、より精緻な検討が行えるようになったという。
プロロジスはestieのデータ基盤を活用し、行政や企業、業界団体とも連携しながら、物流業界全体のデジタル化とデータの整備・共有を推進していくことが大切だと感じており、AIやシミュレーション技術の活用も視野に入れながら、顧客との共創による開発プロセスの高度化にも取り組む構え。
(藤原秀行)