TOPPANエッジ、輸送時温度データなど製品情報を国際標準コードに変換・共有可能な新システム提供開始

TOPPANエッジ、輸送時温度データなど製品情報を国際標準コードに変換・共有可能な新システム提供開始

医療・医薬業界など向け、高度なトレーサビリティーに基づいた品質管理実現見込む

TOPPANホールディングスは7月9日、傘下で情報システム開発などを手掛けるTOPPANエッジが、センサーで取得した製品の物流時の温度・振動・気圧などの情報を国際標準仕様「EPCIS 2.0」に対応した識別コードに変換し、企業間で共有できるようにする国内初の物流サプライチェーンマネジメントシステムを開発したと発表した。

同日、サプライチェーン上で高度な品質管理が不可欠な医療・医薬業界などを中心に提供を開始した。

 
 

同社は新システム導入により、サプライチェーン上で企業間の情報伝達にタイムラグが生じるのを防ぎ、ICタグやバーコード、QRコードなどで取得した製品情報を事前に把握することで検品削減などの作業効率化や、サプライチェーン工程間の製品温度共有などによる高度なトレーサビリティーに基づいた品質管理を実現できると見込む。


サービス提供イメージ

「EPCIS2.0」に沿った形式で、温度等の各種センサーなどから取得した製品情報・出荷単位・時刻・場所といった情報を、国際標準で定めている共通コードとフォーマットに則り記録・管理することで、関係企業間の共有が容易になると想定している。


新システムで「EPCIS 2.0」に沿って取り扱い可能な情報

共通フォーマットでデータを集約する一方、データの公開先を制限することを可能にしており、「メーカーが出庫情報を卸業者には公開するが、競合となる他のメーカーには公開しない」といったことができるという。

また、最新バージョン「EPCIS2.0」に対応することで、従来の「EPCIS1.2」準拠のSCMシステムの対応情報に加えて、センサー情報が取り扱える。インターシステムズ製の統合データ処理基盤「InterSystems IRIS Data Platform」をデータベースとして採用しており、大量のデータの交換・検索・共有処理を高速で実現できるとみている。

 
 


システムの出荷機能画面イメージ

提供価格は1社当たり100万円から(毎月の入荷件数が2000回、ICタグ読み取り数が2万個と想定)と設定。ICタグ、リーダーの費用が別途必要。2026年度以降、サービスの更新、追加機能の拡充を行い各種機器やICタグ、ソフトウェアを含めて、別途見積りになうr。

TOPPANエッジは、今後、原材料の調達から製品の製造・流通・販売、消費者への提供までのサプライチェーン全体のプロセスを統合的に管理し、最適化できるよう新システムの機能を拡大する予定。

新本システムと各種センサー付きICタグや、製造DXソリューション「NAVINECT」(ナビネクト)をはじめとするTOPPANグループ各社の物流ソリューションなどを組み合わせることで、サプライチェーン全体をスマート化するトータルソリューションとして提供する。医療・医薬品業界を中心に、その他製造・物流・小売業界などを対象とし、新システムと物流関連のIoTサービスを含め28年までに約10億円の売り上げを目指す。

(藤原秀行)※いずれもTOPPANホールディングス提供

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