全国2500台のライブカメラにAI判定導入
ウェザーニューズは7月15日、ゲリラ雷雨(ゲリラ豪雨)による被害を軽減するため、7月にゲリラ雷雨予測の専任体制を始動させ、ゲリラ雷雨予測の強化シーズンを開始したと発表した。
全国に2500台配置している気象観測用の小型ライブカメラ「ソラカメ」の映像に、新たにAI判定を導入。ゲリラ雷雨の原因となる積乱雲の発生・発達をいち早く検知し、ウェザーニュースアプリの「ゲリラ雷雨アラーム」でユーザーへ迅速に通知することを目指す。
同社は今年7〜9月に全国でゲリラ雷雨がおよそ7.8万回発生すると予想しており、特に8月中旬が発生のピークになる見通しと指摘。ゲリラ雷雨の多い季節を安全に過ごすため、ウェザーニュースアプリの詳細なゲリラ雷雨予測を利用するよう呼び掛けている。
全国2500台のライブカメラネットワーク構築のイメージ
「ソラカメ」設置イメージ
雨を降らせそうな黒い雲をAIが自動判定するイメージ(いずれもプレスリリースより引用)
ウェザーニューズの予報センターは、ゲリラ雷雨が多発する7〜9月の間、今年もゲリラ雷雨予測の専任チームを立ち上げ、体制を強化して日本全国のゲリラ雷雨をモニタリング、予測する。
ウェザーニュースのゲリラ雷雨予測の取り組みは、2008年に相次いだゲリラ雷雨による水難事故をきっかけにスタート。当時は「予測不可能」と言われていたゲリラ雷雨による被害を少しでも減らしたい、という想いで同年の夏にスタートし、2025年で18年目を迎えるという。
ライブカメラの映像からAIが雨を降らせそうな黒い雲を検出し、マップ上に表示。このライブカメラネットワークは、2024年3月に開始した小型クラウドカメラ「ソラカメ」を一般ユーザーの協力の下、全国に設置する取り組みで実現した。
開始から約1年半で設置数は2500台に達し、全国を網羅している。ライブカメラ映像にAI判定が加わることで、積乱雲の発生・発達などゲリラ雷雨の兆候を迅速につかめるようになると想定している。
(藤原秀行)