地域のバス活用、商品の自宅配送も
住友商事、セイノーホールディングス(HD)、大新東、REAの4社は8月12日、国土交通省による「共創モデル実証運行事業」の採択を受け、10月1日から山口県下関市で、産官学連携の取り組みとしては国内初となるAIオンデマンドシステムと貨客混載を組み合わせた地域モビリティサービス「Mile One(マイルワン)」の実証実験を始めると発表した。
下関市豊田町は、現在4路線の「生活バス」が電話予約型で時刻表に沿って運行されており、高齢者をはじめとする多くの住民にとって使い勝手の良い公共交通にするため、「AIオンデマンド機能」を導入。また、免許返納や高齢化で買物弱者が増えている現状を踏まえ、同じ車両を活用し、スーパーマーケットの商品などを地域住民の自宅に配送する「貨客混載機能」も展開する。
事業の効果測定は、下関市立大学が協力。地域の実情に即した評価項目・手法を定義した上で実施する。定量データに加え、利用者アンケートやヒアリング調査を通じて得られた声を生かし、サービスの継続的な改善を図る構えだ。
実証期間は26年3月31日までの6カ月間を予定している。今後は全国への展開も目指す。
今回の事業の実施主体は下関市が務めており、冨士第一交通に実際の運行を委託。住友商事がマイルワンサービス/貨客混載AIオンデマンドシステム構築など、セイノーHDが物流スキームの構築、大新東が人流スキームの構築、REAがAIオンデマンド配車システムの開発・保守・運用をそれぞれ担う。
(藤原秀行)※いずれも4社提供