日本郵政社長、ゆうパックの顧客離れ注視も
日本郵政の根岸一行社長は8月19日の定例記者会見で、傘下の日本郵便による点呼不正問題に関し、トラックや軽貨物車両に加え、集配のバイクでも全国の郵便局で同様に点呼の不備や記録の改ざんを確認したことを明らかにした。
根岸社長はバイクに関し「不備の内容としては(トラックや軽貨物車両と)大同小異だ」と指摘。8月中に社内の調査結果を公表する考えを示した。
バイクはトラックや軽貨物車両と異なり、貨物自動車運送事業法で点呼義務化の対象外となっており、明確なルールは定められていないが、日本郵便では勤務前に酒気帯びが発覚するケースが相次いでおり、業務時の酒気帯び運転を見逃していた場合は問題になる。
会見する根岸社長
根岸社長はまた、6月に国土交通省から一般貨物輸送の事業許可取り消しの行政処分を受けた後、郵便や荷物の配送については「8月に入ってもサービスを従来通り続けている。送達日数も特段の問題はなくサービスを提供できている」と語り、同業他社への業務委託や日本郵便内の軽貨物車両による代替でカバーできていると強調。
同時に、「お客様からも7月以降、ゆうパックの利用を差し控えたいとの声が少しずつ聞こえてきている」と説明、顧客離れが収益に及ぼす影響を注視していく姿勢を見せた。
軽貨物車両の点呼不正に対して国交省が特別監査を続けており、相当厳しい処分が見込まれていることには「他の運送会社への委託の拡大、あるいは確実な点呼ができることを大前提として、他の郵便局からの応援を通じてお客様にご迷惑をお掛けすることのないよう対応していきたい。処分内容の度合いに応じて、手段を講じながら着実にサービスを提供していきたい。他の局からの応援は相当やっていかないといけないと思っている」と語った。
(石原亮、藤原秀行)