「情報収集」「管理」の機能に特化、低コストで導入ハードル下げる
Spectee(スペクティ)は8月26日、製造業のサプライチェーンが抱えているリスクをリアルタイムに可視化できる新たなソリューション「スマートリスク管理」の提供を開始したと発表した。
災害など有事の際、「迅速なリスク情報の収集を支援」「サプライヤーのつながりを可視化」「自社製品への影響の即時把握」の3点を可能にできるようクラウドベースでサポートする。
導入時の設定や画面操作をシンプルにし、コストを大幅に抑えることで、大企業から中小企業までサービス利用開始のハードルを下げている。
同社が製造業を対象に実施した意識調査結果によれば、4割以上が「(有事の際に)リスク事象を把握するのに時間がかかった」や、「情報がタイムリーに取得できない」ことなどを課題として列挙。今後のリスク対応のために必要不可欠なこととしては「サプライヤーの全体像の把握や取引先との連絡体制の整備」(34.5%)を挙げる向きが多かった。
同社は「課題への対応が追いついていない実情が浮き彫りになった」と指摘、新たなソリューション開発に踏み切った。
Specteeは2023年11月、SNSや気象データ、全世界のニュース、地政学リスク情報などから、サプライチェーンに影響を及ぼすあらゆる危機情報をリアルタイムに収集し、納期への影響やサプライチェーン全体へのリスクに対する統合的な管理を後押しする「Spectee SCR」の提供をスタート。
ただ、ユーザーからは既存の運用体制の見直しや旧来型の基幹システムで管理しているサプライヤー関連のデータ整備に時間を要するため、最初はもう少し手軽に始められるようにしたいとの要望が多く見られたという。
そうした点を踏まえ、サプライチェーン強靭化をさらに加速させるため、「リスク情報の収集」と「サプライチェーンの可視化・管理」の機能に特化し、より安価で、大企業だけではなく中小企業でも始められやすい新ソリューションとして実用化した。
(藤原秀行)※Spectee提供