有識者検討委が中間とりまとめ、費用負担などは引き続き議論
国土交通省と北海道庁は9月3日、「北海道新幹線札幌延伸に伴う鉄道物流のあり方に関する有識者検討会議」(座長・二村真理子東京女子大学教授)の中間とりまとめを公表した。
北海道新幹線の札幌延伸の際、JR北海道から経営分離される予定の海線(函館線の函館~長万部間)の鉄道貨物輸送に関し「少なくとも延伸開業の時点では海線の維持により貨物鉄道の機能を確保することが必要であるとの結論に至った」と明記。
同時に、貨物鉄道の施設を誰が保有するのかや、維持管理に必要な年間数十億円の費用を誰がどのような割合で負担するかなどの課題については、引き続き検討が必要だと指摘。国交省や北海道、JR貨物などが検討を続けることを示した。
中間とりまとめは「並行在来線で貨物鉄道のみが運行する場合は全国初のケースとなるため、慎重な議論が必要である」と指摘。
「海線における貨物鉄道機能をいかに維持していくべきか検討するに当たっては、全国的な物流ネットワークに関わることであり、北海道内の関係者だけではなく、全国的な貨物鉄道ネットワークを担うJR貨物を所管する国も含めた役割分担のあり方を考えるべきである」と強調している。
北海道新幹線の札幌延伸は当初の計画から8年遅れる見通しとなっている。
(藤原秀行)