T2と三井倉庫ロジが国内初、「クロスドック」と「自動運転トラック」組み合わせた新たな混載輸送の実証開始

稼働率高め、積載効率向上目指す

T2と三井倉庫ロジスティクスは9月29日、T2が実用化を目指している「レベル4」自動運転（特定の条件化で完全無人運転）トラックによる幹線輸送を見据え、物流拠点に集まる複数の荷主の貨物を在庫として保管せず、拠点内でそのまま仕分けて出荷する「クロスドック」の仕組みと、自動運転トラックを組み合わせた混載輸送の共同実証を同日、国内で初めて始めたと発表した。

三井倉庫ロジは2023年、T2に資本参画し、複数の実証実験などを通じて自動運転トラックの実用化へ連携してきた。今年7月にT2が開始した「レベル2」自動運転（ドライバーが同乗し、システムの不具合などが起きた場合にすぐ交代できるよう運転席で待機する）トラックの商用運行にもユーザーとして参加している。

三井倉庫ロジが複数のGWC（ゲートウェイセンター）と呼ぶ主要な物流センターを中心に、デジタル技術を駆使した輸配送ネットワークで各センターをつなぎ、物流全体を効率化する「GWC構想」で活用している「クロスドック」の仕組みと、T2の自動運転トラックを連携させ、複数の荷主の貨物を混載輸送することを想定している。

クロスドックと自動運転トラックを組み合わせた混載輸送のスキーム（イメージ）

今回の実証は三井倉庫ロジの「座間物流センター」（神奈川県）と「彩都あかね物流センター」（大阪府）の2拠点それぞれに集めた荷主5社の貨物を仕分けし、T2のレベル2自動運転トラックに混載して両拠点間を幹線輸送する。

その上で2拠点内にクロスドックの機能を設け、自動運転トラックが神奈川から大阪に到着後、次の貨物をすぐに積み込んで出発できるようにすることで自動運転トラックの稼働率を高め、混載を可能にして積載率向上につなげられるかどうかを見極める。

さらに、在庫保管機能を備えたDC（ディストリビューションセンター）の「彩都あかね物流センター」では保管在庫も混載貨物として積み込み、積み合わせ貨物調整の容易性や物流拠点のオペレーションと自動運転トラックの発着スケジュールの連携を検証する。

荷台の部分のみ切り替えられるスワップボディの車両を活用し、一部の貨物は1台の車両で複数の配送元を巡回する「ミルクラン方式」を採用。自動運転区間と荷主拠点の発着地の間を一貫輸送できるかも確認する。

より効率的な集配送オペレーションや自動運転トラックの発着スケジュールの連携を図り、T2が目指すレベル4自動運転トラックによる幹線輸送で、今回の新たな輸送方法を導入できるよう、改善点を抽出する計画だ。

実証概要

（藤原秀行）※いずれも両社提供