運輸業・郵便業の5月労働時間は全産業で最長~ホワイト物流はこれから~

運輸業・郵便業の5月労働時間は全産業で最長~ホワイト物流はこれから~

前年同月比では減少も時短進まず、給与額は30万円を突破

厚生労働省がこのほど発表した「毎月勤労統計調査」によると、2019年5月確報における運輸業・郵便業の月間労働時間と出勤日数は全産業で最も高い水準だったことが分かった。

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他方、月間現金給与額は上昇しており待遇面は前年同月から改善しているものの、長時間労働は依然として是正されない状況にある面がうかがえる

それによると当月の総実労働時間は162.0時間で前年同月比1.3%減少した。しかし調査対象の16産業では最も長く、全産業の合計平均134.5時間を27.5時間上回った。

これを分解していくと所定内労働時間が1.5%減の139.9時間、所定外労働時間が増減なしの22.1時間。いずれも産業別では最長かつ所定外は唯一20時間を超えるなど突出している。

全産業の合計平均(所定内124.1時間、所定外10.4時間)との比較では所定内が15.8時間、所定外は2倍強の11.7時間それぞれ長かった。出勤日数は0.4%減の19.0日で鉱業・採石業(19.3日)に次いで多く、全産業の合計平均17.4日を1.6日上回った。

待遇面は現金給与総額が5.9%増の31万5882円と30万円台に乗せ、全産業の合計平均27万5193円と比べて4万689円高かった。

内訳は所定内給与が0.6%増の25万2511円、所定外給与が7.2%増の4万2757円で、両者を合算した「決まって支給する給与」は1.5%増の29万5268円。特別に支払われた給与は73.4%の大幅増となる2万614円で、所定外と特別分の増加が給与総額を押し上げた格好だ。

(鳥羽俊一)

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