「平和島自動運転協議会」、建物内走行と一般道使った配送の2テーマでWG設置

「平和島自動運転協議会」、建物内走行と一般道使った配送の2テーマでWG設置

早期の社会実装へ課題抽出など担う

東京・平和島の「東京流通センター」(TRC)を軸に自動運転技術の早期社会実装に取り組む任意団体「平和島自動運転協議会」は12月4日、新たに2つのワーキンググループ(WG)を立ち上げたと発表した。

同協議会が11月21日にTRCで開催した会合で方針を表明した。

WGは「TRC建物内の自動運転走行」と「循環型ラストマイル配送」がテーマ。前者は自動運転トラック走行の検討対象範囲を現在の高速道路から限定的な一般道を経由し物流施設内区画のバースへと拡大することで、自動運転トラックの社会実装により物流業界へもたらすポジティブな効果の最大化を目指す。

具体的には、物流施設内というGPSが届きにくい環境下で自動運転トラックの走行を実現するための通信面の課題抽出や、施設側と車両側のオペレーションを円滑にする施設管制システムの在り方、バース管理システムの構築などを通じて、施設内の円滑な運行や交通事故の発生予防などを進めることを目指す。

後者はTRCを拠点として羽田空港、品川・高輪エリア、平和島エリア内などを結ぶ一般道における自動運転車両による循環型配送ネットワーク(一般道を使って決まった場所へ繰り返し荷物を届けることを指す)の構築に向け、技術面・運用面を含む多角的な検討・検証を担う。

自動運転技術開発企業、物流企業・荷主企業、高精度地図作成企業、通信事業者といった幅広い会員企業との連携を想定している。2025年度から走行課題の抽出・共同輸送や荷役などのオペレーション整理、自動運転レベル2(ドライバーが同乗し有事の際はすぐに運転を代わるよう待機する)の運用検証を実施することを予定している。

加えて、27年度以降の社会実装を視野に入れ、次世代物流のモデルケース創出を図る。

(藤原秀行)

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