ウェザーニューズが世界初、対話型AI搭載で船長導く運航支援サービス開始

ウェザーニューズが世界初、対話型AI搭載で船長導く運航支援サービス開始

高グラフィックの波・風予測を提供、最適ルートの高性能なリアルタイム検索も船上で可能に

ウェザーニューズは12月25日、近年の海上における通信環境の改善を生かし、AIが対話形式で船長の運航判断を支援する次世代型運航支援サービス「SeaNavigator for Master」(シーナビゲーター・フォー・マスター)の提供を開始したと発表した。同社は世界で初めてと説明している。

船長は同サービスを使うことで、搭載している「AI Agent」を通じ、ウェザーニューズの専門家と会話するように、航路上や港湾の気象リスク、燃費やスピードの予測など、運航計画に直結する情報をAIに尋ねることができる。



また、船長からのニーズが最も高い、波・風予測や台風の進路予測などの運航に必要な最新の予報を高い解像度でリアルタイムに確認することも可能。「航海ルートシミュレーション」では、波高や過去のルーティング実績に基づいた最適な航海ルートを船上から瞬時に検索できる。

さらに、従来の連絡手段はメールや衛星電話に限られていたのを改善し、海上の船長と陸上の運航管理者間(船陸間)の航海計画の承認もチャットでスムーズに行えるよう工夫している。

運航判断に役立つ気象・海象や運航データをオンボード(船上)システムを通してタイムリーに共有することで、長年の課題だった船陸間の情報格差を解消し、船長は最新かつ膨大なデータに基づいてより最適なルートを自ら選定できるようになると見込む。

同社は今後、累計100万航海のサポート実績を活かして「AI Agent」や「航海ルートシミュレーション」の機能拡張と精度の向上に取り組む。


「航海ルートシミュレーション」のルート検索結果(画面左側)と「AI Agent」による航海ルート上の波・風予測の回答(画面右側)


航路上の気象リスクの分析結果とアドバイス(画面右側)「ルート上に危険はない?」の質問に対するAIの回答




船陸間はいつでもチャットで連絡し合える

先行導入した欧州や日本を含むアジアの海運事業者からは「これまで航海計画の承認を得るために重いファイルをメールでやりとりしていたが、ほぼリアルタイムで協議ができるため、本船ネットワーク環境を整備した大きな効果を得られた」との声が上がっているという。

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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