保管容量20%増と省人化を実現
大日本塗料は1月13日、滋賀県湖南市に物流拠点を新設し、関西エリアで分散していた物流機能を集約したと発表した。
同社は新拠点開設で関西エリアの拠点間輸送を削減するとともに、製造から保管、出荷までの作業の流れを整理し、安定供給を支える将来を見据えた物流体制の構築を図る。


自動ラックを導入した新設倉庫
旧来、物流子会社のニットサービスが運営している「阪南サービスセンター」(大阪府堺市)はこれまで約2000tの塗料を保管・管理していたが、製造拠点と分離していることによる拠点間輸送の発生に加え、施設の老朽化や保管容量確保のための外部倉庫の賃借など、物流運営上の非効率が課題になっていた。
2026年中期経営計画で「人材および事業活動の全社最適化」を掲げているのに則り、物流機能の在り方を再考。生産子会社の日東三和塗料(滋賀県湖南市)の敷地内に空地や屋外貯蔵所といった保管能力の拡張余地があることに加え、主要幹線道路へのアクセスに優れ、輸送効率の向上が見込める点を評価し、拠点機能の再編に着手した。
拠点をまたぐ横持ちの輸送を減らし、製造から保管、出荷までの流れを整理することで、保管容量を従来比約20%拡充できるとみており、グループ内の設備を活用できる物流体制の構築につなげる。
新物流拠点は事務所棟や倉庫棟、集荷場所、梱包室など計7つの建物を新設。保管・輸送の効率化や品質向上に加え、現場の負担軽減、グループ各社の製品や技術を活かした施設づくりを進められるようにしている。
危険物倉庫と一般物倉庫を各2棟新設し、うち各1棟に高層自動ラック倉庫を導入した。高層自動ラックは、保管から入出庫までを一体で自動制御する最新の設備で、天井空間を活用した立体保管により、同じ敷地面積でも多くの商品を保管できるほか、入出庫作業の省人化を実現できると見込む。
入出庫および在庫管理には、ハンディターミナルを用いた検品・管理システムを採用し、作業の標準化とヒューマンエラーの抑制を進め、作業精度と業務効率の向上を狙う。
加えて、一般倉庫と定温倉庫を同一拠点内に併設することで、常温品から温度管理が必要な商品まで幅広く対応可能な保管体制を整備した。商品特性に応じた適切な保管と一元管理を行い、まとめ配送による輸送効率の向上にも寄与できるとみている。

移動式ラック

高層自動ラック
並行して、新拠点に導入した自動ラック倉庫や入出庫管理システムを活用し、保管レイアウトの見直しや、積み込み・積み下ろし、仕分け作業の自動化を展開。「物流2024年問題」を背景とした運送業者の負担軽減を図るとともに、人手不足が続く物流現場においても、安定した運用が可能な輸送体制につなげられたと見込む。
トラックの待機場所やトイレ・休憩所、複数台が同時に作業可能な出荷場を新設し、運送業者が快適に働けるよう腐心している。
グループ各社の製品や技術を施設の随所に採用するとともに、再生可能エネルギーの活用など環境に配慮した取り組みに注力している。
具体策として、外壁の一部には大日本塗料の新製品「DNT EXTRAアクア無機」を採用し、高い耐候性・耐久性により、施設の美観を長期間維持する。
事務所棟の照明設備にはDNライティングの製品を取り入れ、省エネルギーかつ快適な執務環境を実現。倉庫内外の路面標示材(区画線など)には、蛍光色材事業を担うシンロイヒの蛍光塗料を用いて高い視認性と耐久性を確保し、安全性および作業効率の向上を目指している。
倉庫棟の一部には太陽光パネルを設置し、再生可能エネルギーを活用している。

自社塗料を採用した外壁

DNライティングの照明

シンロイヒの蛍光塗料を使用した区画線
今後、グループの物流を担うニットサービスが新拠点で整備した保管・荷役体制を活かしながら、グループ内物流の運用水準の向上に加え、外部の取引先に対しても保管や荷役業務を含む物流サービスの提供を進める構想だ。
施設の概要
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名称 |
大日本塗料株式会社 滋賀事業所 ニットサービス株式会社 本社&滋賀サービスセンター 日東三和塗料株式会社 本社&工場 |
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所在地 |
〒520-3114 滋賀県湖南市石部口3‐3‐1 |
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交通アクセス |
名神高速道路 「菩提寺」IC 約5km、「栗東」IC 約9km |
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敷地面積 |
28,738㎡(公簿) |
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建築面積 |
5,118.38㎡ |
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延床面積 |
5,687.05㎡ |
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構造 |
鉄構造 |
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稼働日 |
2026年1月5日 |
(藤原秀行)※いずれも大日本塗料提供











