アスクル社長ら事実上の解任「苦渋の決断、将来的には理解される」
ソフトバンクの宮内謙社長は8月5日に東京都内で開いた2020年3月期第1四半期(4~6月)決算説明会で、子会社のヤフーが資本・業務提携しているアスクルの定時株主総会で社長と独立社外取締役3人の再任に反対、事実上解任したことについて「苦渋の決断ではあったが、将来的には(関係者の)皆さんにもわかっていただけると考えている。ヤフーの行動を肯定したい。事業を大きく伸ばすための大義があったと判断している」との見解を示し、同社の対応を擁護した。
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ソフトバンクなど事業会社群を統括するソフトバンクグループはこれより先、「孫(正義ソフトバンクグループ社長)個人は投資先との同志的な結合を何よりも重視するため、今回のような手段を講じることについて反対の意見を持っている。このたびの件はヤフーの案件でありヤフー執行部が意思決定した。ヤフーの独立性を尊重し、ヤフー執行部の判断に任せている」とのコメントを発表していた。宮内氏の発言は、孫氏よりも前向きにヤフーの対応を捉えていることを示した格好だ。
宮内氏はこのほか、アスクルがヤフーに提携解消を求めていることに関し、アスクル新経営陣の意向を確認していないと前置きした上で「少なくともちらっと聞いた感じではヤフーと連携している方がいいという声も聞こえてくる」と語った。
(藤原秀行)