業界初の「マルチ派遣」も開始、働きやすい環境整備
大和ハウス工業は9月2日、千葉県流山市で、延べ床面積が32万2226平方メートルで同社最大規模となるマルチテナント型物流施設「DPL流山Ⅳ」の地鎮祭を実施、本格的に建設を開始した。現時点で完成は2021年10月末、稼働開始は同11月1日を見込む。
同社は流山で計4棟の先進的物流施設を建設するプロジェクトを進めており、今回が3棟目の着工となる。4棟全体が完成するのは22年11月を計画しており、総延べ床面積は71万6460平方メートル、賃貸面積は62万2012平方メートルに上る見込み。流山市は“一大物流タウン”として物流業界で存在感がさらに高まりそうだ。
「DPL流山Ⅳ」の完成イメージ(大和ハウス工業提供)※クリックで拡大
「流山Ⅳ」は地上5階建てで、賃貸面積は26万824平方メートルを想定。1フロア(約4万8000平方メートル)を周回可能な両面トラックバースを大和ハウス工業開発のマルチ型物流施設として初めて取り入れる。常磐道の流山ICから約2・5キロメートルと近接しており、同社は首都圏から東日本全域をカバーする拠点として機能すると見込む。
同社は併せて、新たな試みとして流山市で開発するプロジェクト全体を対象に、「マルチ派遣」をスタートすることを発表した。子育て中の人たちが働きたい時期や時間を選んで複数のテナント企業で働けるよう、同社が出資し物流施設内の保育施設運営を手掛けるママスクエアがサポートする。ママスクエアは最大100人の子どもを受け入れることが可能な保育施設も「流山Ⅳ」で従業員専用として設置する。
他にも、グループの大和リビングが「流山Ⅳ」で働く人を対象に、流山市の近郊で賃貸住宅をあっせんして入居時の諸経費を優遇するなど、働きやすい環境の整備に注力していく予定。
(藤原秀行)