熊谷組やゲットワークスと組み神戸市で整備、27年末運用開始予定
三井不動産は10月6日、熊谷組、データセンター運営を手掛けるゲットワークスの両社と組み、神戸市が2005年9月まで造成用の土砂運搬用として活用していたトンネルを使い、地中型データセンターを開発すると発表した。
既存のトンネルに同様のデータセンターを設けるのは国内で初めてとみられる。
既存トンネルの大部分は、地下約40mより以深に位置しており、冷涼性や高い耐震性、外部からの接近が限定されることによる優れた物理的安全性といった特性を活かしながら、事業者の持つ知見や技術を結集し、遊休資産をデータセンターに転換させる。
急速に拡大するGPU(画像処理半導体)サーバー需要や、重要データを安全に保管・運用するためのインフラ需要の高まりに対応する。

地中型データセンターのイメージ
利用するのは、神戸の山と海を総延長14.5kmで結んでいるトンネル。神戸空港などの造成用土砂を運ぶベルトコンベヤーが通っていた。2005年に使用を終了していた。
三井不動産と熊谷組は、このトンネル貸付(対象は、総延長のうち約3km、面積約1万7000㎡)に関する条件付き入札で9月4日に落札した。
トンネル内の空間の温度は年間を通じて15~20℃に保たれているという。
日本国内ではデータセンター用地や電力の確保、建設コストの高騰、高発熱なGPUサーバーに対応した設備不足などを背景に、インフラ整備が課題となっている上、企業や自治体では重要データの保護や自然災害への対応力強化の観点から、高い物理的安全性とレジリエンス(回復性)を備えたデータセンターへのニーズも高まっている。
そうした状況を踏まえ、三井不動産はこれまで十分に活用されてこなかった地中空間に着目。既存空間を活用することで、建設時の環境負荷の低減や事業化までの期間短縮を図ることが可能とみている。
今後も全国各地のトンネルや鉱山跡地などの遊休地中空間を活用した地中型データセンターの複数拠点展開を目指す。
熊谷組やゲットワークスと共同し、地下深部に位置する既存トンネルにコンテナ型データセンター設備を設置。将来は最大受電容量20メガワット規模のデータセンターとして運用することを想定している。初期開発では、2027年末のサービス提供開始を予定している。
地下水を循環利用する水冷方式を導入するなど、既存資源を最大限に活用し、環境負荷の低減と高効率な運用を狙う。
さらに、地中空間が有する高い耐震性と優れた物理的セキュリティに加え、ゲットワークスが展開するシェルター型コンテナデータセンターの技術を活用することで、自然災害や外部リスクへの対応力を高められると見込む。

大規模災害・有事対策に特化したシェルター型 コンテナデータセンターのイメージ

ゲットワークスが新潟県湯沢町に設置したコンテナデータセンター
(藤原秀行)※いずれも三井不動産提供











