国際基準の温度管理と盤石なBCP対応
医薬品卸大手のスズケンは9月20日、連結子会社の中央運輸がさいたま市内で建設している医薬品物流施設「岩槻メディカルターミナル」が10月9日に稼働を開始すると発表した。
施設規模は延べ床面積1万9750平方メートル、鉄筋コンクリート造、地上3階建て(事務所棟は5階建て)。1階が共同配送のターミナル、2〜3階は一時保管庫となる。総投資額は約31.3億円。47都道府県を全てカバーする。
同ターミナルは高品質で効率的な物流、災害時でも安定的な品質を担保できることに主眼を置く。一時保管と輸配送では国際的な品質管理基準「PIC/S GDP」に準拠し、荷さばきスペースに外気を完全遮断するオートシェルター18基、保冷医薬品専用車両約50台、荷室内温度を常時遠隔監視できるシステムを配備して温度管理を徹底するとともに、関東圏の共同配送機能を集約して均一の輸送品質による全国ネットワークを形成する。
東北道や圏央道のIC付近に立地し、関東・東北・甲信越方面をはじめ全国各地への広域輸配送に最適かつ災害リスクが低い。建屋にはプレキャスト・プレストレストコンクリート(PCaPC)工法と杭頭免震構造を組み合わせた地震に強い最新の建設技術を採用したほか、72時間の連続稼働が可能な自家発電装置と自家給油スタンドを備えている。
(鳥羽俊一)
岩槻メディカルターミナル(スズケンウェブサイトより)