【独自取材】運輸・郵便業は7割弱が「荷役作業時の安全対策」選択

【独自取材】運輸・郵便業は7割弱が「荷役作業時の安全対策」選択

ホワイト物流の自主行動宣言、「異常気象時の運行中止」も60%台に

政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを図る「ホワイト物流」推進運動に関し、ロジビズ・オンラインは9月30日時点で賛同を表明している全国の荷主企業や物流事業者など559社・団体が同運動事務局に提出した自主行動宣言の内容を独自に集計、分析した。

このうちトラック運送会社や倉庫業などの「運輸・郵便業」の中で同宣言の詳細な内容を公表している198社について、同宣言で必須項目となっている全体の取り組み方針と法令順守への配慮、契約内容の明確化・順守の3点以外に選んだ項目の割合を算出した結果、「荷役作業時の安全対策」がほぼ7割となったほか、「異常気象時の運行の中止・中断等」も6割を超えた。

同一グループに属する複数の企業が共通して同じ項目を選択したことで全体の回答に占める比率を押し上げた例が見られたものの、総じて現場の安全確保に関連した項目を選ぶ割合が高くなっている傾向にあることが示された。

背景には、昨今の地震や台風といった大規模災害の続発を受けて事業者の間で意識が高まっていることなどに加え、物流業界で人手不足が深刻化する中、安心して働ける労働環境を整備し貴重な労働力の確保・定着を図ろうとする狙いがあるとみられる。実現に向け、今後は荷主企業との協力関係構築がさらに重要となる。

「車両にバックモニター+センサー義務化」「繁忙期前に労災防止DVD視聴」

調査は国土交通省が同運動に関するインターネットの専用ウェブサイトに掲載した各社の回答を確認した。同一グループから複数の企業が宣言を提出しているケースはその全てを集計対象に加えた。

設定されている28項目の中から運輸・郵便業が選んだ比率は、「物流の改善提案と協力」が84・3%で、常に首位を維持している。続いて「荷役作業時の安全対策」が69・2%、「異常気象時等の運行の中止・中断等」が61・6%となった。

「荷役作業時の安全対策」の具体的内容としては、
・新規導入する事業用車両については後退事故防止に向け、バックモニター+センサーを義務付ける(日本通運)
・社員雇い入れ時や繁忙期前に、ロールパレットを取り扱う全社員にロールパレット等労働災害防止DVDを視聴させることにより、荷役作業時のロールパレット労働災害を防止する(日本郵便)
・積み込み場所での昇降ステップの設置、安全研修実施など安全対策を講じ、取引先の理解を得ながら労働災害の発生防止に向けた取り組みをさらに推進する(キリングループロジスティクス)
――といった施策が挙げられている。

この3項目に続いて多く選ばれたものとしては、「運送契約の書面化の推進」が56・1%、「パレット等の活用」が53・0%、「船舶や鉄道へのモーダルシフト」が33・3%、「運賃と料金の別建て契約」が32・3%などとなっている。

一方、「物流を考慮した建築物の設計・運用」は依然ゼロのまま。「宅配便の再配達の削減への協力」と「検品水準の適正化」が2・5%、「リードタイムの延長」と「幹線輸送部分と集荷配送部分の分離」が3・5%にとどまった。荷主サイドが主体的に行動する必要があり、運輸・郵便業からは率先して取り組みにくい側面があることも影響しているとみられる。

(藤原秀行)

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