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国交省、災害時のトラック運行休止判断基準の作成を検討

国交省、災害時のトラック運行休止判断基準の作成を検討

運送事業者の安全確保後押し目指す

国土交通省は、大規模な自然災害に備え、トラック運送事業者が運行を休止する際の判断基準を取りまとめる方向で検討を進めている。近年大型台風の襲来で倉庫が被災するなどの事態が相次いでいるのを考慮し、荷主企業が運行を強要する事態を防ぎ、運送事業者が自発的に安全を確保できるよう後押しするのが狙いだ。

鉄道の計画運休などの事例も参考にしながら、風速や雨量といった具体的な天候の条件を設定できるかどうか調整を急ぐとみられる。形態としてはガイドラインとして公表することなどが想定される。ただ、天候などの状況は災害ごとに大きく異なるため、実効性を備えた基準をどこまで明確にまとめられるかは現状では不透明だ。

昨年12月に議員立法で成立した改正貨物自動車運送事業法では、トラック運送事業者が法令違反をする原因となっている恐れがある行為を荷主がしていると疑われる場合、国土交通大臣が所管官庁と連携して荷主に問題行為の改善を働き掛けたり、要請したりすることを定めている。問題行為の具体的内容としては、荷待ち時間の恒常的な発生、非合理な到着時間の設定、過積載の要請などに加え、悪天候時の運行強要も含まれている。

しかし、具体的にどのようなケースを運行強要とみなすのかなどの要件は明確に定まっておらず、事例ごとに判断するのが現状。そのため、国交省は運行の判断基準を策定することで、問題行為の発生をより確実に防ぐとともに、強風でトラックが横転するなどの事故を回避したい考えだ。

物流業界では既に、日本冷蔵倉庫協会が台風上陸や大雨などの発生が見込まれる場合、臨時休業する目安となる基準を策定し、会員企業に公開。冷蔵倉庫の最寄り駅を走っている鉄道路線の計画運休が発表されたことなどを設定するとともに、従業員の安否や冷蔵倉庫の被害が確認できたことなどを営業再開の条件として掲げている。

(藤原秀行)

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