LIXILが戸建て住宅向け「スマート宅配ポスト」開発

LIXILが戸建て住宅向け「スマート宅配ポスト」開発

IoTでスマホから開錠や集荷依頼可能、10月発売

 住宅用設備機器大手のLIXILは9月26日、戸建て住宅向けに宅配ボックスを内蔵した「スマート宅配ポスト」を開発したと発表した。

 不在時でも宅配便事業者が商品をボックスに収納しておくことで、帰宅時に取り出せるほか、IoT(モノのインターネット)を活用し、スマートフォンを使った集荷依頼も可能にするなど、従来の宅配ボックスから機能を大幅に強化した。

 再配達削減への貢献を図るとともに、自社の設備機器の付加価値向上を目指す。今年10月1日に発売し、2020年度の売上高は15億円(約2万台)を目指す。

カメラ通じリアルタイムで荷物収納作業を確認

 スマート宅配ポストは、宅配ボックスや郵便ポスト、サイン(表札)、インターホンを一体的に内蔵。宅配ボックスは2リットルのペットボトル6本入りケースが2つ収納できるサイズを確保している。

 宅配便の荷物が届くとユーザーのスマホに通知。既に荷物が収められていてもスペースに余裕があれば、スマホを操作して開錠し、追加で荷物を入れられる。

 宅配便事業者が宅配ボックスに荷物を収納したり取り出したりする様子は、ポストに取り付けられたカメラを通じてリアルタイムで映像を確認。サービス対応している宅配事業者を使えば、ユーザーが家にいなくても宅配ボックスを介して荷物を発送できる。

 参考価格(設置費用など除く)は基本的機能がそろった「ファンクション仕様」で税別26万6千円、宅配ボックスの機能に特化したタイプが19万8千円、据え置きタイプが17万8千円。

 東京都内の同社内で開いた発表会で、同社の庵原岳史理事(LIXIL Housing Technology Japanエクステリア事業部長)は「戸建て住宅における宅配ボックスの普及率はいまだ1%以下にとどまっており、導入促進が喫緊の課題。当社製品でエンドユーザー、宅配事業者、EC事業者の皆さま方がベネフィットを享受できるようにしたい」と意気込みを示した。

(藤原秀行)

LIXILが発表した「スマート宅配ポスト」のファンクション仕様。左は同社の庵原岳史理事

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