1棟が稼働済み、残る3棟も順次計画推進
大和ハウス工業は12月6日、埼玉県坂戸市で開いた建設中のマルチテナント型物流施設「DPL坂戸」の現場案内会で、同施設の周辺で並行して手掛けているBTS型施設4棟の開発プロジェクトに関する進捗状況を明らかにした。
このうち1棟(地上3階建て、敷地面積約6500坪、延べ床面積約7300坪)は今年完成し、医療機器メーカーの日本光電が「東日本物流センタ」として稼働済み。残る3棟も順次開発を進めていく方針。敷地面積は4棟トータルで約3万5000坪相当となる見通し。候補地は24時間稼働が可能なエリアのため、顧客の要望を踏まえ、工場のニーズに対応することも視野に入れている。
同社は「DPL坂戸」と同様、今後建設する3棟とも関越道の坂戸西スマートICに隣接し、圏央道と接続している鶴ヶ島JCTからも約5キロメートルと首都圏各地へのアクセスに強みを持つ点などをアピール。さまざまな企業に引き続き利用を働き掛けていく考えだ。
「DPL坂戸」に関しては一部区画で契約が完了したり申し込みを受けたりしているほか、BTS型施設についても引き合いがあるという。同社は都心から50キロメートル圏内という立地が、首都圏向けの配送拠点として競争力を持っているとみており、坂戸のプロジェクトの動向は、物流施設需要の先行きを占う上でも注目されそうだ。
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今年11月時点の「DPL坂戸」(中央の屋根が青い施設)。横を走るのが関越道で、施設の隣りに坂戸西スマートICがあり、上側が都心方面。周辺で3棟のBTS型施設の開発準備が進められている(大和ハウス工業提供)※クリックで拡大
開発するのは「DPL坂戸」の南隣に位置する「Dプロジェクト坂戸A」(敷地面積8492坪)と北側にある「Dプロジェクト坂戸B」(5256坪)、関越道を挟んだ向かい側の「Dプロジェクト坂戸C」(1万4627坪)。
既に完成したBTS型1棟と現在開発中の「DPL坂戸」を合わせると、敷地面積はトータルで6万坪程度となる見込み。1つのエリアに物流施設5棟を建設するのは、同社がやはり大型物流施設4棟の建設を進めている千葉県流山市と同様の大規模プロジェクトになるとみられる。
(藤原秀行)