国交省、異常気象時のトラック輸送中止判断目安を策定へ

国交省、異常気象時のトラック輸送中止判断目安を策定へ

風速や降雨量など、一般意見公募経て1月中の施行目指す

国土交通省は大規模な自然災害が続発している現状を踏まえ、貨物自動車運送事業法などに基づき、台風をはじめとする異常気象時にトラック輸送の中止を判断する目安を定める方針だ。1月6日に一般から意見募集(パブリックコメント)を開始した。

国交省が目安を公表することで、悪天候時に運送事業者が荷主企業などから輸送を強要されるのを防ぎ、トラックドライバーらの安全を確保するのが狙い。今月17日まで募集した上で、1月中に施行したい考え。

同法は一般貨物自動車運送事業者に対し、輸送の安全を確保するために国交省令で定める事項を順守するよう義務付けている。また、貨物自動車運送事業輸送安全規則は貨物自動車の運送事業者に対し、異常気象などで輸送の安全確保に支障を来す可能性がある場合はドライバーへの指示など必要な措置を講じることを定めている。

国交省が策定した案は、雨量や風速、降雪量、濃霧発生時の視界、大雨などの警報発表時の計5項目ごとに目安を設定。降雨を例に挙げると、1時間当たりの雨量が、
・ワイパーの動きを早くしても前が見づらくなる20~30ミリメートルで「輸送の安全を確保するための措置を講じる必要(がある)」
・高速走行時にタイヤと路面の間に水の膜が生じてブレーキが利かなくなるハイドロプレーニング現象が起こる30~50ミリメートルで「輸送を中止することも検討するべき」
・車の運転自体が危険な50ミリメートル以上で「輸送することは適切ではない」
ーーと設定している。

国交省は「輸送を中止しないことを理由にただちに行政処分を行うものではないが(同省の)監査で輸送の安全を確保するための措置を適切に講じず輸送したことが確認された場合は『貨物自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について』に基づき行政処分を行う」と明記。荷主企業らの強要をけん制している。

(藤原秀行)

国交省の「目安」の案はコチラから(パブリックコメントのサイトにリンク)

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