【独自記事】ギークプラス、自動フォークリフトを国内初出展へ

【独自記事】ギークプラス、自動フォークリフトを国内初出展へ

2月の「スマート工場EXPO」、搬送ロボットと連携可能に

中国の新興ロボットメーカー、Geek+(ギークプラス)日本法人は、今年2月12~14日に東京・有明の東京ビッグサイトで開催される、製造業・物流業界向けにIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などの先端技術を活用したソリューションを紹介する大型展示会「スマート工場EXPO」で、無人で稼働可能な自動フォークリフトを日本で初めて出展することを決めた。

中核商品のAI(人工知能)を活用した自動搬送ロボット「EVE」と連携させることで、荷物の積み降ろしから運搬までを一貫して自動化できるようになるという。人手不足が深刻な日本でEVEと連動した省人化ソリューションとして2020年中にも製造・物流現場へ本格的にソリューションを提案していきたい考えだ。「スマート工場EXPO」では販売パートナーの協栄産業のブースで自動フォークリフトのデモンストレーションを行う予定。


自動フォークリフト(ギークプラスウェブサイトより引用)

ロボット需要伸びを受け3大都市圏で営業体制拡充も視野

ギークプラスは2015年2月に中国・北京で創業。同国で物流ロボットのシェアトップを達成しており、17年8月には日本法人を開設した。既に日本国内で受注分も含めて約1000台の販売実績を重ねているほか、アジアや欧州も入れたグローバルで約7000台が導入されてきた。

日本での納入先はアルペングループや大和ハウス工業グループ、アッカインターナショナル、ビックカメラ、DHL、TSIホールディングス、DENSO、OOCLロジスティクス、森永乳業、日立物流、SGホールディングス、アスクル、ミドリ安全など多岐にわたっている。

EVEを活用したソリューションの需要が着実に伸びていることも踏まえ、ラインアップの拡充を図ることにした。自動フォークリフトは自分の位置推定と周辺の地図作成を同時に行うSLAM(セルフマッピング)技術を採用して自動走行と積み降ろしを行っている。

既に中国で取り扱っており、日本でも展示会などの場を活用してデモを実施し、機能への理解を深めてもらい、早期に発売したい考えだ。併せて、EVEなどを組み合わせて自動で入出庫を行うことができるロボットシャトルシステムも早期導入を目指している。

併せて、営業体制の強化も図る。ギークプラスはこのたび、大手総合商社の豊田通商と正式に販売契約を締結した。中部エリアでの販売を伸ばしていくのが狙いだ。中部や関西で他の企業とも販売面でパートナーを組むことを模索しているほか、20年内にも新たに拠点となるオフィスを開設することを視野に入れている。

首都圏は現在、千葉県印西市でプロロジスが開発した物流施設内に本社を構えているほか、東京・神田神保町に東京オフィスを展開している。一度納入した顧客企業がリピーターとしてロボットを追加で希望するパターンも多いという。ギークプラスは物流ロボットを売り切って完結するのではなく、メンテナンスも含めたフォローを続けることを重視しているため、首都圏でも営業拠点を増やすとともにスタッフを拡充する方向で検討している。


AIを活用した自動搬送ロボット「EVE」

(藤原秀行)

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