総務省が今国会への法改正案提出も見送る方向、かんぽ問題響く
総務省は日本郵便の収支改善へ普通郵便物の土曜日配達を廃止することを盛り込んだ郵便法改正案に関し、1月20日召集の通常国会へ提出するのを見送る方向だ。日本郵政グループのかんぽ生命保険による保険商品の不適切販売が各地の郵便局で相次ぎ発覚。実態調査が依然終わっていないことへの批判が根強いため、郵便のサービスレベル低下につながる法改正への理解を得るのは難しいと判断した。
同省は日本郵便の要望を踏まえ、昨年秋の臨時国会に法改正案を提出する方向で準備していたが、かんぽ問題の影響を懸念し見送っていた。日本郵便は改正法成立を受けて当初は2020年中に廃止したい考えだったが、仮に今秋の臨時国会で成立しても周知や準備に相当な時間を要するため、21年以降にずれ込むのが不可避となった。同社は業務の一段の効率化を迫られそうだ。
郵便法は現在、郵便局に週6日の配達を義務付けている。土曜日の配達廃止は、日本郵便が郵便利用減少や配達員不足に対応するため、翌日配達の見直しなどとともに要望。総務省の審議会も一連のサービス内容変更を承認していた。
(藤原秀行)