カンダHD子会社2社の不正な立替金精算疑いは総額3260万円

カンダHD子会社2社の不正な立替金精算疑いは総額3260万円

15年3月期から5年9カ月の調査結果公表、接待交際費を悪用か

カンダホールディングス(HD)は2月13日、子会社で医薬品配送などを手掛けるカンダコアテクノとレキストの2社で、過去に不正な立替金精算が行われた疑いがあると今年1月に開示していた件に関する特別調査委員会の調査結果を公表した。

カンダHD子会社2社で不適切な立替金精算の疑い

不正な立替金精算が疑われる額は合計で3260万円に上り、同社はその全額を不正受給が行われた接待交際費と認定した。

ただ、決算への影響は軽微として、2020年3月期の連結業績予想は据え置いたほか、過年度決算の訂正も行っていないと説明している。同社は陳謝した上で、同一人物が長期間同一役職に就かないよう人事を見直すことや、経費精算のルールを再整備することなどを柱とする再発防止策を実行する方針を示した。

特別調査委は社外取締役や社外監査役、外部の弁護士の計5人で構成。15年3月期から20年3月期の第3四半期(10~12月)までの5年9カ月間を対象に調査を実施した。不正を働いた疑いのある子会社2社社長(同一人物が兼務、1月31日付でグループ全役職を辞任)が役員を務めたグループ7社に関し、接待交際費と会議費、旅費交通費の使用状況を精査。その結果、「本件子会社の接待交際費において高額の支出が多く、かつその大半の経費使用者が調査対象者であることが確認されたことから、本件子会社における接待交際費を主な調査対象として選定した」という。

調査の結果、不審な領収書が多数見つかり、当時の社長からは資料が何も提出されず、供述も内容が変遷して信用性に乏しいことなどから、不正行為の存在が強く疑われると指摘。一部の領収書は不正申請が認められたと説明している。当時の社長以外については、特段疑わしい点は現状で認められなかったという。

(藤原秀行)

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