【独自取材】CBcloudの宅配業務効率化ソリューション、日本郵便が採用決定

【独自取材】CBcloudの宅配業務効率化ソリューション、日本郵便が採用決定

最適の配送経路を自動計算、実証実験で成果確認し現場導入へ

CBcloudが新たに公開した宅配業務効率化のソリューション「SmaRyu Post(スマリューポスト)」を、日本郵便がこのほど採用することを正式に決めた。

スマリューポストはスマートフォンの専用アプリが最適な配送経路を自動的に算出するサービス。既にEC大手のアスクルグループなどが配送現場に導入しており、日本郵便も昨年に実証実験を行った結果、業務効率化の成果を確認できたため、現場の配達スタッフに提供することにした。

当初は首都圏などの200拠点で展開し、利用状況を踏まえて順次拡大することも検討する。日本郵便が本格的な利用を決めたことで、ラストワンマイル現場でのサービス普及に弾みが付きそうだ。


スマリューポストのロゴマーク(CBcloud提供)※クリックで拡大

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荷積み位置の自動指定も可能

CBcloudは主力の荷物とトラックのマッチングサービス「PickGo(ピックゴー)」に加え、以前から宅配のラストワンマイルを効率化するための独自ソリューション「LAMS」の実用化・提供に取り組んできた。過去の配達実績などのデータを踏まえ、最適な配達ルートを作成、不在宅への配達を極力回避することなどを目指し、トライアルを重ねてきた。今年2月にはサービスのブランドを現行の名称に変更した。

スマリューポストは、専用アプリを入れたスマホを業務用端末として活用。ドライバーが荷物のラベルに付いたバーコードを読み取ると、時間指定の内容や過去の在宅率予測を反映した経路を作成、地図上に表示する。荷姿を登録しておけば経路を反映した車内の荷積み位置を自動的に指定、効率良く荷物を降ろせるようサポートする。

さらに、配達先ごとに車を駐車すべき位置、建物内に入る方法、配達時に留意しておくべき事項などの個別情報を共有、閲覧して実際の業務にその都度役立てることが可能だ。アプリは配達完了時にスマホの画面へ受領の電子サインをしてもらう機能を備えており、受領書のペーパーレスにつながる上、カメラで現場を撮影して宅配ボックスへの荷物投函や「置き配」への対応を確実に行ったと証明することもできる。

現状でもベテランドライバーが荷物のラベルに書かれた配達先住所を地図で確認、自分の勘と培った経験から人力で最適なルートを組んでいる事例がまだまだ多い。属人的な能力のため、新たにドライバーとなった人は一朝一夕には身に付けられないのがネックで、若い世代がドライバーになろうとする上での高いハードルにもなっている。

CBcloudはITをフルに活用することでそうした厳しい状況を打開していこうと考えており、開発スタッフが実際の宅配現場に入り込んでドライバーの話を丁寧に聞くなどして、いかに実効性のあるルートを組めるようにするかアルゴリズムの精度を高めてきた。これまでの実証実験で初心者のドライバーの配送効率を6割アップできたほか、運行前のルート確認などの準備作業に費やす時間を50%以上短縮することにつながったという。各トラックの配送状況をリアルタイムで確認できる点は管理者にとってもメリットになっている。

実際にスマリューポストを活用している事業者からは「アプリが新人ドライバーでも簡単に使えるような分かりやすいデザインを採用しているため、新たに業務を始めたばかりのドライバーを育成するコストや負荷を軽減できる」といった声が挙がっている。

CBcloudは「宅配に必要な全機能を網羅した唯一のソリューション。アナログかつ非効率な業務を改善し、持続可能な物流の構築に貢献していきたい」と話している。


自動計算した経路の表示イメージ(CBcloudウェブサイトより引用)※クリックで拡大

(藤原秀行)

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