当初は神奈川の2営業所に3台導入、早期に全社拡大へ
埼玉を地盤として食品物流などを手掛けるアサヒロジスティクスは3月24日、埼玉県滑川町の「滑川福田センター」で、同社として初めて現場に導入する女性ドライバー専用トラック「クローバー」の納車式を行った。
運転席全体を覆い隠せるカーテンを取り付け、安心して休憩や着替えができるようにするなど、女性が働きやすくなる工夫を凝らしているのが特色だ。同社はまず、神奈川県内の2拠点に計3台を配備した後、順次拡大し、将来は全社に導入したい考え。
お目見えした女性ドライバー専用トラック「クローバー」
壁面にクローバーのデザイン入り(左から愛川物流センターの鈴木陽子さん、神奈川営業所の三浦こずえさんと平川柚奈さん)※クリックで拡大
同社は深刻な人手不足が続くのを踏まえ、女性が活躍できる職場環境を整備するための活動「クローバープロジェクト」を展開。その一環として女性ドライバーの要望を聞き、日野自動車と連携して専用トラックの開発に取り組んできた。電車のグリーン車のマークに使われているクローバーをプロジェクト名に採用することで、電車の指定席のように女性が快適に過ごせる環境をつくるとの思いを体現。併せて、環境や人に優しい物流業界に変革していきたいとの考えも示している。
新たな女性専用トラックは壁面にクローバーのデザインを施し、明るいイメージを醸し出している。運転席のすぐ脇には小物入れなどの収納スペースを確保。また、荷物が運送中に動かないよう固定するラッシングベルトを掛けておく庫内壁面のフックは通常より低い位置に取り付け、小柄な女性でも取り扱いやすいように配慮した。
運転席全面を覆うカーテン
小物入れなど収納スペースを確保
ラッシングベルトを掛ける場所は通常の位置(左)より低くして小柄な女性でも取り扱いやすくなるよう配慮
同社の横塚元樹社長は納車式後、取材に応じ、現在は全社で4%程度の女性ドライバーの数を早期に10%まで増やしたいとの意向を表明。「手積み手降ろしの作業を見直すなど、業務の負荷軽減や効率化にも取り組んでいきたい。女性ドライバーが10%まで増えれば、新卒で入社してきた女性に対し、女性が指導役に就いて従来以上にきめ細かく指導することも可能になる」と意気込みを語った。
クローバーを運転する予定の女性ドライバーの1人、愛川物流センターの鈴木陽子さんは「要望を細かく反映してもらえた。女性が職場にいると雰囲気が明るくなるのでぜひ多くの女性ドライバーが活躍してほしい」と話した。
記念撮影に応じる横塚社長(左から4人目)らアサヒロジスティクス関係者※クリックで拡大
横塚社長と記念撮影する(左から)愛川物流センターの鈴木陽子さん、神奈川営業所の三浦こずえさんと平川柚奈さん※クリックで拡大
(藤原秀行)