【新型ウイルス】ESR、新型コロナ「短期的には経営に大きな影響受けないと推測」

【新型ウイルス】ESR、新型コロナ「短期的には経営に大きな影響受けないと推測」

19年度はアジア太平洋地域の物流施設延べ床面積4割拡大、AUMも38・7%増

ESRは4月10日、2019年度(1~12月)の業績と20年度の展望を発表した。香港では3月23日に開示済み。

19年度に関しては、日本を含むアジア太平洋地域での物流施設の延べ床面積は前年度実績から42・8%増の1720万平方メートルに達した。AUM(運用資産残高)は38・7%増の221億米ドル(約2兆4000億円)に上った。

世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症の影響に関しては「当グループの開発中・稼働中プロジェクトにおける混乱は最小限にとどまっている」と説明。建設中のプロジェクト43件(バランスシート計上分とファンド運用分の合計)のうち、工事再開に向けて地域政府の許可待ちとなっているのが2件にとどまり、残りは計画通り進んでいることを例に挙げた。

稼働中のプロジェクト157件(同)も一時的に閉鎖されているのは2件のみで、残りは決算発表時点で影響を受けていないという。ただ、いずれも決算発表時点の情報のため、その後状況が変わっている可能性がある。

同社は短期的には新型コロナウイルス感染拡大から大きな影響を受けないとの推測を示した上で「常に変化する環境を配慮し、今世界が直面している未曽有の事態と起こりうる市場の混乱に注視し続けながら、今後もしっかりと経営に取り組む。そして健全なバランスシートを土台に、この混乱期においても、引き続き魅力的な投資機会を探求し、提案していく」との決意を表明した。

20年度以降の事業環境については、アジア太平洋地域の主要都市の発展、eコマース市場の伸長などを受けて引き続き先進的な物流施設の需要が見込まれるとのスタンスを示している。

(藤原秀行)

物流施設/不動産カテゴリの最新記事