コロナ感染拡大踏まえ、リーマンショック超える急ブレーキ見込む
国際通貨基金(IMF)は4月14日、2020年の世界経済見通しを修正した。世界経済全体の成長率は3・0%減と、今年1月時点で公表した従来予想の3・3%増から6・3ポイントと大幅に下方修正した。
新型コロナウイルスの感染拡大がグローバル規模で経済に悪影響を及ぼしていることを受け、19年の2・9%増から急ブレーキとなり、リーマンショック後の09年(0・1%減)を大きく上回る景気減速を見込む。
IMFは世界恐慌以来、最悪の景気後退になる可能性が高いとの懸念を表明。同時に、21年は感染拡大を封じ込められた場合、5・8%増で回復させることが可能との前向きな見方も示した。
国・地域別では、20年の日本は5・2%減で、09年の5・4%減に匹敵する景気低迷を予測。米国は5・9%減、ユーロ圏は7・5%減と感染拡大が深刻な地域は軒並み経済の著しい悪化を想定している。新型コロナウイルス感染拡大の発端となった中国は1・2%増だが、1980年以降では最低のプラス幅とみている。
一方、世界経済は20年後半から上向くとのシナリオを基に、21年は日本が3・0%増などと見積もっている。
(藤原秀行)