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【独自取材】東京建物、物流施設は関東圏軸に年1~2件開発目指す

【独自取材】東京建物、物流施設は関東圏軸に年1~2件開発目指す

杉瀬商業施設事業部長が着実な事業展開の姿勢強調

 旧財閥系の不動産大手、東京建物が2018年、物流施設開発に参入した。第1号案件として埼玉県久喜市の好立地で開発用地を取得、20年秋の開業を目指している。

 同社で事業展開の最前線を担う杉瀬一樹商業施設事業部長と同部の岡野春日子開発グループ物流チーム課長はこのほど、ロジビズ・オンラインの取材に応じ、CRE(企業保有不動産)の有効活用支援の観点から積極的に顧客へ物流施設開発を提案していく姿勢を強調。投資額は物流施設以外のアセットとバランスを見て調整しながら、年間100億~200億円程度を目安に取り組みたいとの意向を明らかにした。

 東京建物は1896年、旧安田財閥の不動産会社として創業。オフィスビルや分譲マンションを得意とするほか、商業施設やホテルにも注力している。今年5月、「先進的な大規模物流施設へのニーズや物流施設への投資ニーズが高まっている」として、新たに物流施設開発も着実に手掛けていく計画を発表した。

 最初の案件は久喜市内の工業団地に建設。地上4階建て、延べ床面積は約7万1200平方メートルを計画している。東北道の久喜ICから約1・8キロメートル、圏央道の白岡菖蒲ICから約3・4キロメートルという地の利の良さを前面に打ち出す構えだ。

 杉瀬部長は参入の経緯について「以前よりさまざまなアセットの開発を扱う中で物流適地の情報もかなり頂いており、候補地などの検討を重ねていた。久喜の案件は工業団地の中にあり、立地や交通アクセスなどの諸条件が優れていることから、当社が最初に取り組むものとしては良いと判断した。不動産の1つのカテゴリーとして手掛けたいと非常に強く思っていた」と説明。

 物流施設開発プレーヤーとして現時点で最後発になるが、杉瀬部長は多様なアセットを対象とする総合デベロッパーとして経験やノウハウを蓄積しており、アメニティー設備などに関する入居企業のニーズに細かく対応できる点などが強みと強調した。

 岡野課長も「最後発だけに、これまで業界全体で積み重なってきているさまざまな事例をじっくりと研究し、開発に反映していくことができる。大量供給の影響で物流施設間に稼働状況で優勝劣敗が出てきている点も把握できている。事業の安定性という意味では、開発案件をじっくり精査していけば十分確保できるタイミング」と前向きな見方を示した。

老朽化施設の建て替えや冷凍・冷蔵倉庫の整備にも意欲

 開発用地の取得競争が激しい現状に対し、杉瀬部長は「確かに用地取得は難しい。当社だけが安く購入できるというわけではない」と認めつつも、総合デベロッパーとして構築している幅広い情報ネットワークを通じ、相対取引を拡大していくことに自信をのぞかせた。

 事業の展開エリアとして、当初は関東圏を中心とする意向を表明。「久喜の案件を発表したことで、当社に持ち込まれる用地の情報も驚くほど数が増えている。2号、3号案件とコンスタントに取り組んでいきたい。年間1~2棟程度を着実に開発していければいいかなと思っている」と説明。かねて注目されている老朽化施設の建て替えや冷凍・冷蔵倉庫の整備にも意欲をのぞかせた。

 近年の物流施設で既に標準的となっているアメニティー設備の充実について、岡野課長は「例えば施設内にコンビニエンスストアを開設するとしても、当社からはすぐに協力いただけそうなところにお声掛けができる。保育設備もグループで展開しており、迅速な対応が可能だ」とアピール。

 杉瀬部長は主要な物流施設デベロッパーがテナント企業の物流現場の自動化・省人化支援に動いていることに言及。「当社としては、まずは労働力が集まりやすい立地に施設を開発することを重視していきたい。他にもグループに人材派遣会社があり、どのように組み合わせていくかは今後の検討課題」と話した。

(藤原秀行)


杉瀬部長


岡野課長


第1号案件の開発地が近接している圏央道の「久喜白岡JCT」周辺。手前側が白岡菖蒲IC方面(2015年撮影・国土交通省関東地方整備局ウエブサイトより)

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