自社で迅速な機能向上可能、年内に200台以上目指す
物流業界向けロボット開発などを手掛けるスタートアップ企業のRapyuta Robotics(ラピュタロボティクス)は、多様な物流現場でピッキング効率化の支援が可能なロボットの提供を本格的に開始した。
ラピュタとプラスオートメーション、日本通運向けに物流ロボットのサブスクサービス開始
取り扱っているのは庫内でピッキングする商品が収められた棚へ人間を自動的に導く協働型ピッキングアシスタントロボット(AMR)。庫内スタッフ1人を複数のAMRがサポートする形式だ。
誘導するためのガイドレールなどは用いず、ラピュタが手掛けるAI(人工知能)などを駆使したロボット運用のプラットフォームを通じて庫内の地図をAMRと共有するため、導入に際して庫内の棚などのレイアウトを大幅に変更する必要がないのが強みだ。
ラピュタはeコマースに限定せず、BtoCやBtoBの物流に関するピッキングの現場で幅広く応用できると説明。「自社開発のため、品質の高さや今後の開発が素早く行えるところも他社にはない魅力になる」とアピールしている。料金は1台当たり月額12万円程度で、2020年中に200台以上の提供を目指している。
ピッキング支援のAMR(ラピュタロボティクス提供)
ラピュタはスイスのチューリッヒ工科大からスピンオフする形で創業。日本に本社を置くほか、インドにもオフィスを構え、12カ国から80人以上が集まる多国籍企業として、AMRと併せてさまざまなロボットやセンサーを一体的に管理、制御できるプラットフォーム「rapyuta.io」の開発を進めている。
同社は物流現場で深刻な人手不足が続いている上に、新型コロナウイルスの感染拡大でeコマースの利用が増加していることもあって、AMRの需要が引き続き見込めると期待。三井物産と日本GLPが共同で設立しロボットサービスを手掛けるプラスオートメーション(+A)と組み、必要な台数だけ毎月定額で貸し出すサブスクリプションサービスにも注力していくことを検討している。
(藤原秀行)