富士通交通・道路データサービスなどが22万台の実走行ビッグデータ分析
富士通子会社で商用車の安全運行支援などを担う富士通交通・道路データサービス(FTRD、東京)と富士通鹿児島インフォネット(鹿児島市)、富士通といすゞ自動車が共同で設立したデジタルタコグラフ開発などを手掛けるトランストロン(横浜市)の3社は5月14日、2020年1月から4月下旬までの首都圏を中心としたトラックなど物流貨物車両の走行状況に関する分析結果を公表した。
東名道や東北道の2月と4月の通行量を比べた結果、2割前後減少しており、新型コロナウイルスの感染拡大で物流が停滞していることが浮き彫りとなった。工場の操業停止で製品や部材を運ぶトラックが減るなどしたことが背景にあるようだ。
全国約22万台のトラックなどに搭載したトランストロン製の通信機能付きデジタコを介して日々集めている走行経路といったビッグデータを解析した。東名道の海老名JCT(神奈川)、東北道の久喜白岡JCT(埼玉)を起点に、上りと下り双方向の走行量を集計。2月第1週と4月第4週を比較した結果、東名道は東京に向かう上りが18・3%減、神奈川から西へ向かう下りが18・8%減だった。19年の同時期は上りが6・7%増、下りが0・3%減だった。
一方、東北道は東京に向かう上りが23・2%減、北上する下りが22・8%減となった。19年の同時期は上りが14・7%増、下りが16・3%増だった。いずれも19年と明らかに状況が異なっている。
東北道の走行量の推移(いずれもFTRDなどプレスリリースより引用・クリックで拡大)
また、東京都から出発した車両と東京都を到着地とした車両の走行量の合計では、19年は1月から3月にかけて徐々に増えている半面、20年は2月4週目以降、3月にかけて減っていた。神奈川県についても同様の傾向が確認された。
(藤原秀行)