株式66・6%を200億円で取得、3PL事業強化や海外事業基盤拡充狙う
※東芝の発表内容を追加、差し替えました
SBSホールディングス(HD)と東芝は5月26日、SBSHDが東芝の物流子会社、東芝ロジスティクスを買収することで合意したと発表した。今年10月1日付で、議決権ベースで株式の66・6%を199億8000万円で取得する。
SBSHDはアジアや欧米でも事業展開している東芝ロジを傘下に収め、3PLサービスの取り扱い拡大と複数の物流企業を統括する「4PL」事業の強化、海外物流基盤の拡充を図るのが狙い。買収後も東芝ロジの役員は留任し、経営の継続性・独立性を重視すると同時に、SBSHDから非常勤役員を東芝ロジに派遣、グループとのシナジー連携強化を目指す。
東芝ロジは近年、東芝グループ以外の製品を取り扱うケースが増えており、東芝はSBSHDに東芝ロジを委ね、3PL事業発展を図ることとした。東芝ロジと傘下の15社は東芝の連結対象から外れる。東芝は21年3月期に連結ベースで約230億円の営業外収益を計上する見通し。
東芝ロジは1974年設立。家電製品のほかにも電力設備などの重量物から医用機器、半導体といった部品の輸送までを幅広く手掛け、2019年3月期の単独売上高は893億円、営業利益は17億3500万円だった。同社の買収でSBSHDの連結売上高は単純合算で3000億円を突破する見込み。
SBSHDは18年にリコー傘下のリコーロジスティクスを子会社化するなど、有力物流子会社をM&Aして3PL事業拡大を図る路線を継続している。今回の買収でSBSHDは国内3PL企業の雄として存在感をさらに増すことになりそうだ。
(藤原秀行)※写真はSBSHDグループ提供