コロナで算出困難との見解続く、増収増益見込みはわずか1割どまり
6月29日までに2020年3月期決算を開示した上場物流企業74社のうち、55・4%に相当する41社が今期(21年3月期)の連結業績予想を「未定」としていることが、ロジビズ・オンラインの集計で明らかになった。
いずれも新型コロナウイルスの感染拡大が経済に及ぼす影響を現時点で合理的に算出するのが困難なことを理由に挙げている。一方、業績予想を開示している33社のうち、増収増益を見込むのはわずか12・1%の4社にとどまった。物流業界でも新型コロナウイルスの感染拡大の影響が深刻とみている向きが多いことをあらためて浮き彫りにした。
これまでに業績予想を公表した企業の中で、増収を見込む割合は21・2%の7社、本業のもうけを示す営業利益が前期より増えるとみている割合も同じだった。その半面、減収、減益の予想に関しても、ともに75・8%となる25社に達した。残る1社は経常利益のみ予想を公表していた。
物流企業の中では、日本通運やヤマトホールディングス、トナミホールディングス、ニッコンホールディングス、名鉄運輸など陸運系が「未定」としているケースが目立った。開示している会社が比較的多い海運系では、日本郵船が営業利益を87・1%減とみるなど、国際貿易の不振のあおりを食っている企業が複数存在している。倉庫系も三菱倉庫や三井倉庫ホールディングス、住友倉庫など減収減益を見込む企業が多い。
(藤原秀行)