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総務省から日本郵政への情報漏洩問題、前上級副社長に「違法性なし」

総務省から日本郵政への情報漏洩問題、前上級副社長に「違法性なし」

弁護士による調査報告書公表、前次官には直接聞き取りせず内容不十分

日本郵政は5月25日、総務省の鈴木茂樹前事務次官が同省OB(元次官)の日本郵政・鈴木康雄前上級副社長に情報を漏洩した問題に関し、外部の三浦亮太弁護士による調査報告書を公表した。

この中で、前上級副社長が前次官からかんぽ生命保険の商品不適切販売をめぐる日本郵政グループへの行政処分などに関する情報を得ていたと認定。同時に、前上級副社長が情報を踏まえて社内で対応の指示を出すなどしたことは確認できず、提供を前次官に求める積極的な理由も確認されなかったと説明し、「違法性は認められなかった」との判断を示した。

報告書は前上級副社長ら関係者に聞き取り調査を実施したが、前次官ら総務省関係者に対しては「政党・国会での対応を踏まえると、民間企業の任意調査に総務省や前次官が協力することは望めない」として調査対象に加えなかったという。そもそもなぜ前次官が情報を漏らしたのか理由は明らかになっておらず、十分な調査とは言えない内容にとどまっている。

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報告書は、三浦弁護士が総務省へ情報開示請求を行った結果などを踏まえ、前次官から前上級副社長に対し、2019年12月13~16日の間、電話や携帯電話のショートメールで数回にわたり、日本郵政グループ役員の責任の取り方に関する関係者間のやりとり、関係者しか知り得ない総務大臣日程、日本郵政に対する行政処分の方向性の3点が伝えられていたと認定した。

同時に、日本郵政役員は前次官からの情報提供より前に辞任の意向を固めていたことや、大臣日程だけ把握しても日本郵政としては取り得る方策がなかったこと、総務省が業務改善命令を行うのは当時の関係者間で前提になっていたことを列挙し、「情報提供を前上級副社長が前次官に求める積極的な理由は認められなかった」と総括した。

こうした状況から前上級副社長側に違法性はなかったと指摘。同時に、「公務員側が一線を越える可能性がある場合には12月13日から16日の間、前次官とのコミュニケーションを控えるといった対応が妥当だった」と前上級副社長の対応を問題視した。

(藤原秀行)

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