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【独自取材】宅配バック「OKIPPA」、レンタル商品返却や中古品買い取り発送にも応用目指す

【独自取材】宅配バック「OKIPPA」、レンタル商品返却や中古品買い取り発送にも応用目指す

Yper・内山代表取締役インタビュー、販売100万個の目標達成へ意欲

宅配荷物を不在時でも自宅玄関前などで受け取ることができる専用バッグ「OKIPPA(オキッパ)」を展開するスタートアップ企業Yper(イーパー)の内山智晴代表取締役はこのほど、ロジビズ・オンラインのインタビューに応じた。

内山氏は、新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛の動きが広がり、インターネット通販の利用が急増していることもあって、OKIPPAの利用が拡大していると説明。「OKIPPAが社会のインフラになるところまではしっかり事業を展開していきたい」との決意を示し、かねて目標として掲げている販売台数100万個の達成にあらためて強い意欲を見せた。

その上で、社会生活に不可欠なアイテムとしての存在意義を一段と高めるため、宅配荷物を好きなタイミングで受け取ることに加え、レンタルした商品の返却や中古品買い取りへの発送などにも使えるようEC事業者らと連携を目指す考えを明らかにした。


内山氏(Yper提供)

コロナ感染拡大前に比べ販売が2~3倍に

OKIPPAはエコバッグなど生活雑貨メーカーのマーナ(東京・東駒形)と共同開発し、2018年9月に発売。荷物を入れる前は小さく折り畳んで玄関のドアノブに吊るしておき、宅配事業者が届けた荷物を広げたOKIPPAの中に入れてロックすることで、受け取る人以外には開けられないようにする仕組みだ。

バッグの導入が容易で使い勝手も良いことなどが評価され、既に累計で約15万個を販売しており、インターネット通販大手の楽天が玄関先など指定された場所に荷物を届ける「置き配」サービスを提供する際のアイテムとしてOKIPPAを採用するなど、EC事業者からも注目度が高まっている。

内山氏は新型コロナウイルスの感染が拡大する前の1~2月に比べ、現状では販売数が2~3倍程度に伸びていると解説。「外出が控えられていた状況からは徐々に戻っていくとは思うが、ECの利便性が確認された今、OKIPPAを使っていただける余地はまだまだある。非対面での受け取りを希望されるユーザーの方も多い」と期待感を示した。

販売戸数の目標として、以前から表明している100万個に言及。「それくらいまで伸ばせれば、宅配荷物の再配達率を10%以下に抑えられる。利用していただいている個数を現状からもう少し増やしていかないといけない。まだまだ普及させることが必要」と狙いをあらためて強調。目標達成に向け、まずは年内に60万個程度まで確実に広めていきたいとの思いを明らかにした。

その上で、東京海上日動火災保険と共同で開発した、OKIPPAで受け取った荷物の盗難を補償する専用保険の存在にも触れ、「置き配が急速に広がっており、そうしたニーズにもOKIPPAで対応できる」と自信を見せた。

日本郵便がOKIPPAを使ったゆうパックの置き配対応に注力するなど、荷物を運ぶ事業者の間でも認知が広がり、再配達削減の効果が着実に挙がっていると歓迎。「商品を受け取る方々だけでなく、配達をされる方々にとっても負荷が減る。OKIPPAはまさに双方にとって魅力のあるWin-Winの形で事業を進めていくことができるプロダクト」との自負を示し、人手不足に悩む物流現場の負荷軽減の意味からも、さらにOKIPPAの利用を促進していく必要性を訴えた。


OKIPPAの利用イメージ(Yper提供)

「非対面集荷という新たな価値を作り出せる」

Yperは今後の普及に向け、OKIPPA活用の新たな可能性を探るため、衣服のサブスクリプションサービス「メチャカリ」を展開するストライプインターナショナル(岡山市)と組み、衣服を返送する際にOKIPPAを介し非対面で集荷する実証実験を6月末まで実施している。

内山氏は同実験を行う契機として、レンタルしていた服の返送作業を負担と感じているユーザーが多かったことを挙げた上で「OKIPPAというシステムがあるからこそ、非対面での集荷というこれまでにない価値を作り出せると感じている」との思いをアピール。レンタルしていた商品の返却や中古品の買い取りなどに応用できるとの見方を示すとともに、ECで購入した商品の返品にも使える可能性があると分析した。

引き続き注力していく施策として、オートロックのマンションでもOKIPPAをうまく使える環境を整備していく意向を表明。住民のセキュリティーに最大限配慮しつつ宅配事業者がエントランスのドア開錠を円滑に行える仕組みを確立する姿勢をPRした。

(藤原秀行)

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