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【独自取材】プロロジス、外部開発の物流施設への投資拡大に意欲

【独自取材】プロロジス、外部開発の物流施設への投資拡大に意欲

不動産私募ファンド活用、物流企業などの資産流動化サポート

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プロロジスは、自社で物流施設を開発するのと併せて、外部の企業などが開発した優良な物流施設への投資を拡大することに意欲を見せている。

今年新たに組成した私募ファンドは日本通運が建設を進めている医薬品専門センターなど4棟を500億円超で取得、ポートフォリオに組み入れる方針を打ち出した。物流企業の資産流動化のニーズが今後も見込まれることや、機関投資家からの物流施設への着目度が依然高いことなどを踏まえ、プロロジス自ら開発した先進的な物流施設をスポンサーとなっているJリートの投資法人で運用、収益を上げてきたノウハウを外部の物流施設にも生かしていきたい考えだ。

プロロジスはこれまで、自社で開発した物流施設をJリートの日本プロロジスリート投資法人に供給、施設運用はプロロジス・リート・マネジメントが手掛けている。ポートフォリオに組み入れた物流施設は今年2月時点で49、取得価格は約7000億円に達している。投資対象を物流施設に絞っているJリートとしては国内随一の規模で、稼働率も99%を超えている。

併せて、今年は国内の機関投資家から資金を集める私募ファンド「Prologis Japan Core Logistics Venture(プロロジス・ジャパン・コア・ロジスティクス・ベンチャー)」を設置した。組み入れる日通の物流施設は昨年11月に完成した「溝ノ口物流センター」(川崎市)のほか、現在建設を進めている九州、西日本、東日本の各医薬品センターとなっている。医薬品センターは九州が今年7月、西日本が同11月、東日本が同12月に完成する予定。


「東日本医薬品センター」の完成イメージ(日本通運提供)

日通は現行の経営計画で、今後も需要が期待できる医薬品分野の物流を拡充する方針を打ち出すとともに、資産の流動化によるキャッシュ創出やバランスシート(貸借対照表)の負債圧縮などを掲げている。プロロジスに施設を譲渡した後、現場のオペレーションは日通が引き続き手掛ける一方、施設の適正管理などはプロロジスサイドが分担し、効率的な事業運営につなげることを狙っている。

プロロジスは欧米や中国で私募ファンドを運用しているが、日本はこれまでJリートがメーンだった。今回のように、建設中だが稼働開始後は一定の収益が見込めるといった優良案件はそもそもJリートの投資法人の枠組みでは運用するのが難しいこともあり、私募ファンドで対応していくことを考えている。同社の山田御酒社長は「私募ファンドの組成で物流企業などにとっても、日本の投資家の方々にとっても、そして当社にとってもメリットが大きい“三方良し”のストラクチャーができあがった。チャンスがあれば前向きに取り組みたい」と強調する。

私募ファンドは日通との間で「物流施設が対象という以外は特段何もコミットメント(約束)がなく、資産規模の目標額なども設定していないだけに、自由度の高い運用ができる」(山田社長)と期待。現状では前述の4棟以外、まだ本腰を入れて取得に動いている案件はないもようだが、山田社長は日通やその他の物流企業などから今後優良物件の提案があれば、積極的に対応していく構えだ。

(藤原秀行)

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