ミツカンとレンゴー、「ホワイト物流」実現へ工場納入のトラック便数2割削減に成功

ミツカンとレンゴー、「ホワイト物流」実現へ工場納入のトラック便数2割削減に成功

生産計画を事前共有し平準化

食品大手のミツカンと段ボール国内最大手のレンゴーは6月8日、トラックドライバーの負荷を軽減する「ホワイト物流」の実現に向けた業務効率化の実証実験結果を公表した。

両社で生産計画を事前共有した結果、ミツカンの栃木工場(栃木県栃木市)へレンゴーが食酢やつゆ、たれなどの商品梱包用段ボールを納める回数を1日当たり約2割削減できることを確認したと説明。両社は今後さらに取り組みを拡大していく考えだ。

実証実験は2019~20年にかけて計3回行った。従来はミツカン栃木工場からの発注に従い、約17キロメートル離れたレンゴー小山工場(栃木県小山市)からその都度段ボールを納入していたため、日によってトラックへの積載量や納入時間が変動し、低積載率での輸送や配送便数増加といった非効率が発生していた。

実験では、ミツカンが製品を生産する数量や生産の開始・終了時刻、製品ごとの段ボール在庫量などを事前にレンゴーへ開示、提供。レンゴーがミツカンから得られた情報を基に段ボールの生産計画と物流効率を念頭に置いた納入・配送予定表を作成し、ミツカンが納入・配送計画を承認すれば確定するとのフローに変更した。

1日当たりの納入トラックの平均便数は5・4便で、それまでの6・6便から1・2便を減らせた。トラックドライバーの労働時間を年間480時間短縮し、CO2排出量も年間6・07トン抑制できたと見込んでいる。


従来のフローと実証実験の比較※クリックで拡大


実験の流れ※クリックで拡大(いずれも両社プレスリリースより引用・写真も)

(藤原秀行)

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