輸送距離短縮でCO2年間排出量40トン抑制、輸送費は20%削減見込む
日立建機は6月18日、LIXILと三重県の四日市港で輸出入用の海上輸送コンテナを共同利用するコンテナラウンドユース(CRU)を同19日に始めると発表した。
CRUは輸入に使用した空のコンテナを、別の企業が輸出用に再利用することでコンテナの輸送距離削減を図る試み。東京港など関東エリアで実施する動きが広がっている。日立建機の物流子会社、日立建機ロジテックとLIXILの物流子会社、LIXIL物流が実際のオペレーションを担い、空のコンテナをトラックに積載したまま荷役作業を行う「オンシャーシ方式」を採用する。
四日市港からLIXILが輸入に使ったコンテナを、滋賀県甲賀市の水口工業団地内に位置するLIXIL物流水口物流センターへ運び、エクステリア商材などを荷降ろしする。その後、約1・5キロメートル離れた同工業団地内で油圧ショベルを取り扱う日立建機ティエラの拠点に回送し、ミニショベルやミニホイールローダなどを積み込んだ後、再び輸出のために四日市港へ運ぶとの流れだ。
日立建機は空のコンテナの輸送距離が減るため、以前よりCO2排出量を年間約40トン抑制し、輸送費は約20%低減できると見込む。利用するトラックの台数も減らせるため、トラックドライバー不足や周辺の交通量の低減にも寄与するとみている。
日立建機はグローバルでの事業競争力強化のため、2018年度から国内の開発・生産拠点の再編を推進。日立建機ティエラでは20年度から新たにミニホイールローダーの生産を開始(龍ケ崎工場から移管)しており、輸出する建設機械が中長期的に増加する見通しの日立建機ティエラをミニショベルやミニホイールローダーの最適な生産拠点とするため、従来の物流体制を見直し、異業種のLIXILとのCRUに踏み切った。今後は他の貿易港にCRUを広げていきたい考え。
オランダへ輸出するミニショベルの積み込み作業(いずれも日立建機ウェブサイトより引用)
(藤原秀行)