第1弾が品川で完成しヤマトなど8割入居確定、EC物流取り込み図る
プロロジスは7月1日、都市型賃貸用物流施設「プロロジスアーバン」の提供を東京都内で開始したと発表した。消費地の都心で高機能の施設を展開することで、市場の拡大が続くEC関連の物流需要を取り込み、商品の迅速な入出荷や配送を施設の機能面からサポートするのが狙い。
第1弾として、東京・品川区東品川で「プロロジスアーバン東京品川1」が稼働。6月末に改修工事が完了し、7月1日に稼働を正式にスタートした。さらに東京・足立区では2棟のプロジェクトを展開。このうち、「プロロジスアーバン東京足立1」が2020年11月の完成を見込むほか、「プロロジスアーバン東京足立2」も21年の竣工に向け計画を進行している。
同社は今後も「プロロジスパーク」と併せ、EC事業者らのニーズに応えられる「プロロジスアーバン」を積極的に建設していきたい考えだ。
「東京品川1」の外観(以下、全てプロロジスプレスリリースより引用)
「東京品川1」はりんかい線「品川シーサイド駅」徒歩5分、京浜急行線「青物横丁駅」徒歩 7分に位置し、地上6階建て、延べ床面積は約2万8000平方メートル。1階と3~6階は倉庫スペースとして、2 階は事務所スペースとしてそれぞれ提供している。
倉庫スペースは最小100坪から1フロア最大1200 坪での利用が可能な設計を採用。1階には10トントラックが着車可能な荷さばきスペースを備え、プロロジス初の試みとして3~4階の入居企業にプロロジスのパートナー企業が館内物流サービスを提供、荷物の入出庫を代行する。5~6階の入居企業は区画専用の荷物用エレベーターを使える。
宅配便や都心部の小売店舗へのラストワンマイル配送拠点、検品・ささげ業務を含むECフルフィルメント拠点として最適な機能を持たせている。公共交通機関でのアクセスに優れているため、ショールームや撮影・音楽などのスタジオ、プロトタイプ製品の実験・開発拠点といった多様な用途にも対応できると見込む。
「東京品川1」は賃貸面積5400坪の約80%でヤマト運輸や大手IT関連企業などと賃貸契約を締結済みで、3~4階は引き続き入居企業を募集中。ヤマト運輸は都心部への配送を担うラストワンマイル拠点として利用する計画。
足立区で2棟計画、コンパクトサイズながら都心初のスロープ併設も
一方、「東京足立1」は地上3階建て、延べ床面積約5200平方メートルの都市型物流施設として開発を進めている。最大賃貸面積は1500坪と設定し、700坪と 800坪の2区画に分けて2社への賃貸を可能にする。荷物用エレベーターを2基備え、区画ごとの専用利用が可能な計画を立案している。
日暮里・舎人ライナーの舎人公園駅、舎人駅からいずれも約18分と公共交通機関も利用しやすく、従業員確保にも有利な立地となっている。
「東京足立1」の完成イメージ
「東京足立2」は地上3階建て、延べ床面積約6400平方メートルを想定。最大賃貸面積は1800坪、最小500坪から使えるようにする計画。コンパクトなサイズに収めるが、4トントラックが直接2階にアクセスできるスロープを併設し、フロアを分けて2社への賃貸が可能。
荷物の縦動線として荷物用エレベーターを2基導入。東京都における同規模の賃貸用物流施設として、スロープを備えた物件は市場初という。配送リードタイム短縮を求める小規模利用の事業者に新たな選択肢を提供する。
1階は都市型配送拠点としての機能に特化し、配送車の全面乗り入れを想定して泡消火設備を装備。2トントラックで20台が同時に着車できるようにする。
開発地は日暮里・舎人ライナーの見沼代親水公園駅および舎人駅からいずれも2キロメートル圏内で、周辺には住宅地も多く従業員確保にも有利とみている。
「東京足立2」の完成イメージ
(藤原秀行)