三井不動産、首都圏と兵庫で物流施設計6件を新たに開発へ★続報

三井不動産、首都圏と兵庫で物流施設計6件を新たに開発へ★続報

総投資額は23年度中に1兆円到達見込む、「2024年問題」対応にも注力

三井不動産は4月18日、東京都内で記者会見し、物流施設の開発・運営を手掛けるロジスティクス事業の展開について報告した。

国内で首都圏を軸に、新たに物流施設を6件開発すると発表。2012年4月にロジスティクス事業を開始して以降、国内外の開発案件は62、延床面積は約530万㎡、累計の総投資額は約8500億円に上る見込み。23年度中には1兆円の大台に到達すると想定している。

6件は千葉県船橋市、埼玉県入間市(2件)、神奈川県海老名市、茨城県つくばみらい市、兵庫県尼崎市。25年2月~27年1月にかけて順次竣工する予定。このうち、神奈川の案件は物流施設に加えて研究所やオフィスなども組み合わせた複合施設「MFIP」として開発する計画だ。

新たな取り組みとして、物流現場の人手不足が深刻化している現状を踏まえ、テナント企業の自動化・省人化のニーズにより的確に対応できるようにする専門部署「イノベーション推進室」をロジスティクス事業部内に開設。

併せて、物流業務の効率化などを後押しするコンサルティングサービス「MFLP &LOGI Solutions(MFLPアンドロジ・ソリューションズ)」の提供を同日開始した。自動化機器メーカーや物流企業など約50社のサポート企業と連携し、最先端技術を活用した物流現場の課題解決策提案につなげる。

また、昨年11月、千葉県船橋市の物流施設「MFLP船橋Ⅲ」内で三井不動産グループが展開している商業施設「三井ショッピングパーク」の公式通販サイト「&mall(アンドモール)」向け商品を取り扱うEC特化型センターを開設、三井不動産グループで利用していることを明らかにした。

同社はトラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」など、物流業界が抱える諸課題への対応として、イノベーション推進室を核にサポート企業と組んで運送業務効率化などのソリューション提供を推進。並行して、物流施設にドライバー用休憩室を設けたり、EC特化型物流センターで共同配送できるよう後押ししたりすることなども想定している。

また、既に公表している、東京都板橋区で日鉄興和不動産と共同で開発を進めている大規模物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」に設ける予定のドローン飛行用フィールドと賃貸用R&D区画をスタートアップや研究機関に開放、ドローン物流の実用化を促進していくことにもあらためて言及した。

物流領域の脱炭素化が強く求められている潮流を踏まえ、2023年度中に三井不動産とJリートの三井不動産ロジスティクスパーク投資法人が保有する全ての施設の共用部向け供給電力を100%グリーン化(実質的に全て再生可能エネルギー由来の電力化)する方針を表明。外部機関による建築物の省エネルギー・環境負荷低減の性能評価認証を新築、既存の物件で100%取得することも目指す。

記者会見で三井不動産の三木孝行取締役専務執行役員ロジスティクス本部長は「2024年問題は非常に重要な問題。今回はたまたま(新規物件は)首都圏に集中しているが、物流施設の分散(による配送効率化への貢献)は今後も手掛けていきたい」と強調した。

今後新たに開発する6物件の概要は以下の通り(竣工イメージは三井不動産提供)。

①「MFLP 船橋南海神」
所在地 千葉県船橋市
アクセス 京葉道路「船橋IC」 約500m
JR 京葉線「二俣新町」駅より 徒歩約22 分
敷地面積 約10,112 ㎡(約3,059 坪)
延床面積 約20,570 ㎡(約6,222 坪)
規模 地上4 階建/BOX 型
着工予定 2025 年7 月(予定)
竣工予定 2027 年1 月(予定)

②「MFLP 入間Ⅰ」
所在地 埼玉県入間市
アクセス 圏央道「入間IC」 約300m
西武鉄道池袋線「入間市」駅 約3.6km
西武鉄道池袋線「入間市」駅より 西武バス「工業団地入口」停留所より 約15 分
「船久保工場前」停留所より 徒歩約3 分
敷地面積 約41,058 ㎡(約12,420 坪)
延床面積 約90,416 ㎡(約27,351 坪)
規模 地上4 階建/ランプウェイ型
着工予定 2024 年3 月(予定)
竣工予定 2025 年7 月(予定)

③「MFLP 入間Ⅱ」
所在地 埼玉県入間市
アクセス 圏央道 「狭山日高IC」 約4.4km
西武鉄道池袋線「元加治」駅下車 徒歩約21 分
西武鉄道池袋線「仏子」駅より 西武バス「樋ノ上」停留所より 約3 分
「樋ノ上」停留所より 徒歩約 3 分
敷地面積 約32,299 ㎡(約9,771 坪)
延床面積 約65,158 ㎡(約19,710 坪)
規模 地上4 階建/スロープ型
着工予定 2025 年2 月(予定)
竣工予定 2026 年6 月(予定)

④「MFLP つくばみらい」
所在地 茨城県つくばみらい市
アクセス 常磐道 「谷田部IC」 約4.0km
圏央道 「つくば中央IC」 約6.0km/「常総IC」 約9.0km
つくばエクスプレス線「みどりの」駅より 徒歩約15 分
敷地面積 約41,800 ㎡(約12,644 坪)
延床面積 約96,501 ㎡(約29,191 坪)
規模 地上5 階建/ランプウェイ型
着工予定 2023 年6 月(予定)
竣工予定 2025 年2 月(予定)

⑤「MFLP 尼崎Ⅰ」
所在地 兵庫県尼崎市
アクセス 阪神高速3 号神戸線「尼崎西」出入口 約1.2km
名神高速「尼崎IC」 約4.5km
阪神電鉄本線「出屋敷」駅より 徒歩約10 分
敷地面積 約16,696 ㎡(約5,050 坪)
延床面積 約35,932 ㎡(約10,869 坪)
規模 地上4 階建/BOX 型
着工予定 2024 年1 月(予定)
竣工予定 2025 年5 月(予定)

⑥「MFIP 海老名」
(研究所やオフィス入居を想定したマルチユース区画を設け、複合施設として開発)
所在地 神奈川県海老名市
アクセス 圏央道「海老名IC」 約2.8km
小田急線相鉄線「海老名」駅より 徒歩約9 分
JR 相模線「海老名」駅より 徒歩約11 分
敷地面積 約29,150 ㎡(約8,818 坪)
延床面積 約40,040 ㎡(約12,112 坪)
規模 地上4 階建/BOX 型
着工予定 2025 年3 月(予定)
竣工予定 2026 年6 月(予定)

(藤原秀行)

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