宅配3社は一部エリアで業務休止や配達遅延
熊本県と鹿児島県で7月4日未明、梅雨前線の影響で記録的な豪雨となり、熊本県の球磨川が氾濫、多数の住宅や施設が浸水したほか、土砂崩れが各地で発生するなど、甚大な被害が生じている。
国土交通省が同日午後4時現在の集計として公表したところによると、九州自動車道の2区間で法面が崩落したことなどにより通行止めとなっているほか、熊本県内の国道3号で1区間、土砂が崩落して通行できなくなっている。
堺泉北港の基幹的広域防災拠点から、緊急物資や発電機20台、水などを熊本県八代市に向けて、4トントラック3台が輸送しており、到着は7月5日早朝の予定。
物流関係ではこのほか、熊本県人吉市内で倉庫1棟が浸水している。トラックターミナルの被害報告は現時点で上がっていない。
また、内閣府(防災)から国交省に輸送要請があったのを受け、熊本県益城町の熊本産業展示場(グランメッセ熊本)へ段ボールベット1000個、非接触型体温計100個の輸送を手配したという。
主要物流企業の発表によれば、ヤマト運輸は大雨や河川の氾濫などを踏まえ、従業員の安全確保のため、7月4日は熊本県内の人吉市、球磨郡、水俣市の全域など一部エリアで集荷・配達業務を休止するほか、窓口受付業務も実施を見送っている。
佐川急便も7月4日は熊本県の人吉市と球磨郡、芦北郡で集荷・配達業務を見合わせている。日本郵便は熊本県南部、宮崎県および鹿児島県で引き受けまたは配達となる郵便物・ゆうパックなどの一部に配達の遅れが生じている。
JR貨物も熊本~鹿児島間で大雨を理由に運休している。
(藤原秀行)