【独自取材】三菱商事とローソンのレンタル品返却など独自コンビニ物流サービス、5000店舗に拡大目標

【独自取材】三菱商事とローソンのレンタル品返却など独自コンビニ物流サービス、5000店舗に拡大目標

コロナ禍でECやフリマの利用増が追い風、首都圏以外への展開も視野

三菱商事と子会社のローソンは、2019年からコンビニ店舗の物流網を活用して展開している、インターネット通販の購入商品返品やレンタル商品の返却、フリーマーケット(フリマ)への出品などを店頭の専用機器で受け付ける独自の物流サービス「SMARI(スマリ)」に関し、今秋ごろまでをめどに利用可能店舗を2000まで広げる方針だ。

新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛でECやフリマの利用が拡大していることなどが追い風となり、サービスの需要が着実に増加しているのに対応する。現在は専用機器を配置した店舗が1都3県で1000以上に達しており、当面の目標として5000を掲げ、サービス利用可能なエリアを広げることに努めていく構えだ。

スマリは店頭の「スマリボックス」の扉を、EC事業者らが発行したQRコードをかざして開錠し、同時に印刷されるラベルを該当する商品に貼り付けて納めれば返却・返品手続きが完了する。コンビニのレジで伝票への記入など面倒なやり取りをする必要がなく、消費者と店舗双方の負荷を減らすことができるのが強みだ。EC事業者らにとっても、自社サービスの利便性向上による利用拡大効果が見込めるのが魅力だ。


店頭の「スマリボックス」(ローソン公開のYouTube動画より引用)

ローソンは全国に1万4000以上の店舗を展開し、専用の配送センターから1店舗当たり1日に多い時で7~8回商品を納めている。スマリは店舗へ納品した後のトラックの戻り便の空いたスペースに荷物を積み込んで物流センターへ持ち帰ることで、新たに輸送のためのインフラを構築する手間を省き、配送事業者の負荷を大きく増やすことなくレンタル商品の返却などを担えるようにした。配送事業者としても帰り便の積載効率を高められるのがメリットだ。

コロナ禍の前より1店舗当たりの受付件数はフリマ出品受付も含めて約3倍に伸びている。今後はスマリボックスの配置店舗を拡大するのと併せて、首都圏以外の関西や中部などのエリアでもサービス提供していく構想だ。

(藤原秀行)

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