国交省が21年度予算概算要求に計上、運送事業の働き方改革推進
国土交通省は10月7日に開催した「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」と「トラック運送業の生産性向上協議会」の合同会議で、運送事業の働き方改革推進へ2021年度の政府予算概算要求に計上した施策を説明した。
新規事業として、トラック運送事業の実態把握を盛り込んだ。今年4月に国交省が改正貨物自動車運送事業法に基づき告示したトラック運送の標準的運賃の浸透状況など労働実態を調査。取引環境の適正化につなげる狙いがある。
併せて、同法に沿って、長時間の荷待ちをさせるなど荷主企業の問題行為に関する情報をトラック運送事業者から直接収集する「通報制度」をより活用できるようにするための方策に関しても検討することを打ち出している。
また、求貨求車システムの活用による取引環境適正化を盛り込んだ。民間のシステムが持つスポット運賃などの膨大なデータを国の施策へどのように反映させていくかを調査・検討することを提案している。
他にも、労働条件改善に向けた取り組みの浸透策として、各都道府県に設置している荷主企業と運送事業者らの協議会で対応を検討してきた課題の解決を目指し、セミナーなどで浸透を図る事業を設定。継続事業としては、「ホワイト物流」の取り組みをさらに推進するための諸活動を引き続き展開することを示している。
(藤原秀行)