ヤマトHD、宅配便の収益改善続く

ヤマトHD、宅配便の収益改善続く

芝﨑専務取締役「通期単価は計画より3円ほど上回る見通し」

 ヤマトホールディングスの芝﨑健一専務取締役(専務執行役員)は10月31日、東京・霞が関の国土交通省内で開いた2018年9月中間決算会見の席上、上期の宅配便単価が1個当たり657円とほぼ想定通りに推移していることを明らかにした。取扱数量は想定を上回っていると語った。

 芝﨑専務取締役は上期の単価に関し「われわれの中の予想とほぼ近似値」と指摘。通期は前期より約60円高い659円を計画しているが「それより3円くらい上がるかなと今みている」と説明し、値上げなどによる宅配事業の収益改善が進んでいることを強調した。

 18年度の宅配便取扱個数は従来予想の17億9600万個を据え置いた。上期の実績は予想を300万個ほど上回ったが、現場の負担拡大を避けるため年末の繁忙期に取り扱いを抑制することなどを考慮した。

 人件費に関しては上期で100億円強増えていると説明。通期でも前年度より増加するとの見通しを示した。上期の人件費総額は4000億円強と解説した。

 傘下のヤマトホームコンビニエンスが法人向けの引っ越しサービスで不適切な料金見積もり・請求を行っていた問題に関連し、あらためて見積もりを適正に行うことなどによる影響額31億400万円を連結業績に反映させたと開示した。

 一方、企業向け物流の「BIZ-ロジ事業」は上期にeコマース事業者向けのサービスが好調だったことなどから増収を達成した半面、情報システムなど先行投資がかさんだため、営業利益は5割近く減ったと言及した。

(藤原秀行)


決算会見に臨む芝﨑専務取締役

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