19年春以降に表彰制度創設や新カリキュラム導入
ドローン(小型無人機)の産業利用促進を図る民間団体「日本UAS産業振興協議会」(JUIDA)は10月31日、東京都内で、JUIDAが全国で認定した操縦士や安全運航管理者の育成スクール関係者らを集めたイベントを開催した。
席上、JUIDAの熊田知之事務局長が認定スクールの活動をより充実させるため、2019年の春から19年度内にかけて、最も多くの操縦士を輩出するなどの優れた成果を残したスクールの表彰制度をはじめ、新たな取り組みを順次始める方針を明らかにした。
併せて安全対策の強化に向け、スクールで新たなカリキュラムやテキストを導入するほか、JUIDA公認の技能テスト創設なども予定していると説明した。人材育成を通じてドローンをトラブルなく飛ばせる環境を整備し、物流や測量、農業など幅広い分野でドローンが一層活用されるよう後押ししたい考えだ。
認定スクールの制度はJUIDAが15年にスタートした。認定スクールで学んだ人には独自の民間資格を交付している。
イベントの冒頭、JUIDAの鈴木真二理事長(東京大大学院教授)があいさつし、認定スクールが全国で180を超えたことなどを紹介。「ドローンを安全に使いこなせる人を育てていくのも非常に大きな課題。認定スクールへの期待は大きいと思う」と語り、教育事業に一段と注力していく決意を示した。
来賓として登場した総務省基幹・衛星移動通信課の伊藤英知課長補佐は機体を遠隔操作するための電波の有効活用などをさらに進めていくと説明。経済産業省ロボット政策室の小林寛課長補佐(ドローン・技術担当)は、円滑な航空管制など今後必要とされる高度な技術の開発を支援していく方針を表明した。
国土交通省航空局安全企画課の徳永博樹無人航空機企画調整官は、ドローン飛行の月当たり事前申請件数が18年度は約3000に上り、前年度までの水準の2倍強に達していることを明らかにし、同省としても安全対策を重視する姿勢を強調した。
(藤原秀行)
イベントの冒頭にあいさつする鈴木理事長