CBRE調査結果、「大阪内陸部の好立地では空室全くなし」
シービーアールイー(CBRE)は10月30日、主要エリアの大規模マルチテナント型物流施設の市場動向調査を正式に公表した。
この中で、2020年第3四半期(7~9月)の近畿圏における空室率は4・0%で、前期(4~6月)から0・8ポイント下がった。4~6月は大型案件が空室を残して竣工した影響で9四半期ぶりに上昇したが、再び低下に転じた。
1坪当たりの実質賃料は1・0%アップし3970円となった。CBREは「特に大阪府内陸部の好立地では空室が全くなく、賃料上昇をけん引している。湾岸部でも空室面積が減少していることから、賃料水準は上昇基調にある」と分析している。
第4四半期(10~12月)の完成予定は1物件だが、21年は約28万坪の新規供給が見込まれ、年間ベースで最大だった17年(約29万坪)に並ぶ水準となる。CBREは「全体としては順調に需要を獲得しつつあり、既に満床となった物件も複数ある」と指摘。同時に、立地の道路網の整備状況や雇用環境、建物のスペックなどの条件によってはリーシングの進捗度合いに差が見られる可能性があると予想している。
中部圏の空室率は0・6ポイント下がって6・7%。19年第2四半期の17・3%をピークにして5四半期続けて低下した。実質賃料は横ばいの3590円だった。
(藤原秀行)